もう一つの彼女の投資先のバイオ医薬品大手の「ザイ・ラボ(Zai Lab)」も、2014年当時は女性3人が運営する小規模な企業だったが、レオンは「多くの直感」と緻密な計算から投資を決定したという。その後、2017年にナスダックに上場したザイ・ラボの時価総額は41億ドルに達している。
Qimingに勤務して17年目を迎えたレオンは昨年のミダスリストで、中国のZhenFund(真格基金)のCEOのアンナ・ファン(方愛之)に次ぐ、世界2位の女性投資家に選ばれた。
投資先の37%は「女性が経営する企業」
Qimingの投資先のヘルスケア関連の企業の37%は、女性が創業者または女性の経営陣が指揮をとっているというが、「私たちは、特に女性の起業家を見つけようとはしていない。ベストな人材を探す努力をした結果、そうなった」とレオンは言う。彼女によると、中国のヘルスケア分野での女性の活躍の場は、以前よりもさらに広がっているという。「私はシリコンバレーにもかなり長く滞在したが、米国に居たら、ここまでの投資実績をあげられなかったはずだ」とレオンは話した。
Qimingは2021年、子宮内膜症や、脱毛症などのホルモン受容体の欠陥に対処するバイオテクノロジー企業、HopeMedの5600万ドルのシリーズBラウンドを共同で主導した。
「子宮筋腫や子宮内膜症など、女性だけがかかる病気は見過ごされがちで、研究の対象になりやすい。私たちは、現状では治療法がない多くの異なる病気の解決策を見出せるようになりたいと考えている」と語るレオンは、肺疾患治療薬の試験で良好な結果を出した香港のAI創薬プラットフォーム「Insilico Medicine」にも出資を行っている。
「世界の平均寿命を5歳延ばすだけでも、それは素晴らしいことだと思う。治療法が待たれる病気は世界に数多くあり、投資家がやるべき仕事はまだたくさんある」とレオンは語った。
(forbes.com 原文)