「今回の改革によって、より強固なコスト構造で長期的な機会を追求しやすくなるだろう。削減対象となる従業員には、退職手当のほか、次の職に就くまで医療給付金が支払われる。就職も斡旋する」とジャシーは述べた。
これは、アマゾンフレッシュ事業の終わりを意味するのだろうか。
すでに42店舗を展開していることを考えると、アマゾンがアマゾンフレッシュ事業を完全に断念することはないだろう。成長スピードが鈍化するのは間違いなく、経営陣の刷新もありうるが、経営は順調だと思われる。創造的なこの新しいアイデアには今後も力を入れていくべきだというのが、筆者の考えだ。
アマゾンはまた、スーパーマーケット・チェーンのホールフーズ・マーケットを、米国、カナダ、英ロンドンで約500店舗、展開中だ。同チェーンは、オーガニック食品に力を入れていることで人気を博している。アマゾンがホールフーズ・マーケットを137億ドルで買収したのは2019年6月のことだった。
筆者の考えでは、アマゾンが食料品店事業に投資すべき理由は2つある。ひとつ目は、アマゾンが創意工夫と創造性に富み、現状維持を良しとしない企業であることだ。おかげで、食料品店業界には創造的破壊の機会が生まれ、買い物客には新たな選択肢が増える。
ふたつ目は、景気後退が懸念されているが、人間は食べずには生きていくことができないことだ。アマゾンは我々に、優れた食料品を手ごろな価格で提供してくれるだろう。
(forbes.com 原文)