議員らも不正を知っていた
超党派の議員たちは2020年にフランクについて警鐘を鳴らし、連邦取引委員会(FTC)に同社の「欺瞞的行為」を調査し、一時的な禁止命令を出すよう求めていた。「フランクが学生に誤った希望を与え、学生ローンの担当者の業務を混乱させていることを懸念している」と、議員らは述べていた。「このツールは、学生が資金を得ることを容易にするものではなく、むしろフランクが利益を得るために学生のデータを利用していると思われる」と、議員らは指摘し、フランクはその後、消費者保護局から警告書を受け取っていた。
JPモルガンは2021年9月にフランクを買収し、ジャビスやアマールを含むフランクのスタッフを社員として迎え入れた。ペンシルバニア大学ウォートン校を卒業したジャビスは、2019年にフォーブスの「30アンダー30」の金融部門に選出された際に、フランクが30万人の学生の学生ローンの申請を支援したと語っていた。彼女はその2年後のリンクトインの投稿で、JPモルガンによる買収を発表し、「6000校以上の大学で500万人以上の学生にサービスを提供している」と述べていた。
30アンダー30の関連記事で、フランクが直面する最大の課題を尋ねられたジャビスは、「スケーリング(事業規模の拡大)」と答えていた。
詐欺に詐欺を重ねた
ジャビスは、合併の一部として1000万ドル近くを受け取り、業績に応じて2000万ドルの追加ボーナスが支払われるよう交渉していた。アマールも、この買収で約500万ドルを受け取り、同様に300万ドルのボーナスを交渉していたという。この訴訟のニュースは、1月11日のウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が先に報じていた。買収の取引が成立すると、JPモルガンは彼らが学生に対して商品やサービスのマーケティングを開始できるようにフランクに顧客リストを要求したが、ジャビスとアマールは、偽の顧客リストを送ったとされる。JPモルガンが40万人のフランクの顧客と思われる人々にテストマーケティングのメールを送ったところ、「結果は悲惨なものだった」と、同社は主張している。開封されたメールは全体のわずか1パーセントだったという。
「ジャビスとアマールは嘘をつくことを選択し、当社を欺くために詐欺に詐欺を重ねたことが、証拠によって示されている」とJPモルガンは述べている。これに対しジャビスは、「JPモルガンは、投資の管理を大きく誤り、これ以上取り組むくらいなら投資を取りやめた方がいいと判断した」と述べている。
アマールは10月に、ジャビスは11月に解雇された。リンクトインの投稿を確認すると、他の数人の元フランクの社員はまだJPモルガンで働いている模様だ。30アンダー30の関連記事で、「これまで受けた最悪のアドバイス」について尋ねられたジャビスは、「辛抱強く居ることが大事だと言われたことだ」と答えていた。
(forbes.com 原文)