変化の渦中のヴィクトリアズ・シークレット、CEOが8カ月で退任へ

ヴィクトリアズ・シークレット(Getty Images)

アドア・ミーの買収により、VSCOは、サブスクリプション(定期購入)プランと、「買う前に試着可能(try-before you buy)」プログラム(受け取ったものから、購入するものと返品するものを決められる)という、新たなビジネスモデルを入手した。この買収は、2023年に「相当の売上と利益」をもたらすとの期待をかけられている。

アドア・ミーは、2011年にニューヨークで創業された。直近の会計年度における利益計上可能な売上は2億4700万ドルと推定されている。

ヴィクトリアズ・シークレットは、アドア・ミー買収に加えて、2022年秋には、ブラや下着、ビューティーという主要カテゴリーで市場シェアを回復するための計画を明らかにしていた。具体的には、よりインクルーシブで幅広い顧客層に訴えるよう、ブランドのリポジショニングを図る計画だった。

この戦略には、店舗およびデジタルチャネルにおける、より魅力的なストーリー展開や、国際的なパートナーシップを通じたグローバルなプレゼンスの拡大、ポートフォリオへの新たなブランドの追加(社内での新事業育成や投資を通じたもの)などがあると、VSCOは投資家に説明していた。

VSCOはまた、これまで過小評価されていたカテゴリーや顧客グループにも注力し、より機敏で効率的な組織構造へとつくり変える計画も明らかにしていた。

VSCOの直近の開示情報を見ると、2022年第3四半期(10月29日締め)の売上高は全世界で約13億1810万ドルと、前年同期比で8.5%のマイナスとなった。北米既存店の売上高は11.7%減少し、営業利益は、前年同期の約1億791万ドルから約4259万ドルへと半分以下に落ち込んだ。

JPモルガンのアナリスト、マシュー・ボスは顧客に対し、ハウクの予想外の退任により、VSCOの復活戦略にさらなるリスクが加わったとの見解を示した。ハウクは、現在進行中のサプライチェーンとコスト管理に関する改革の中核を担っていた、とボスは指摘している。

ヴィクトリアズ・シークレットは現在、世界70カ国で約1350店舗を展開している。

forbes.com 原文

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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