このことは、オックスフォード大学の最近の研究で確認されており、ギグベース、プラットフォーム経済で働くことの真の利点は、都市に住んでいる場合にのみ存在することが示唆されているのだ。
リモートの現実
パンデミック時には、人々は自然が豊かで、住宅価格が安く、最低限の通勤時間でよく、ワークライフバランスのとれた場所で働くことを選び、ようやく物理的な距離の重要性がなくなることを多くが予感した。
確かに、これらの条件をすべて満たしながら、デジタルプラットフォームを通じてグローバルなビジネスチャンスにアクセスできる、いわゆる「ズームタウン」(オンライン会議ツール「Zoom」などを使用して仕事ができるリモートワーカーからの人気の集まる地域)の可能性が高まってきた。2001年にダニエル・ピンクが初めて提唱した「フリーエージェント社会」がついに到来したのだ。
しかし、実際にはそうならなかった。オックスフォード大学の論文は、パンデミックは都市と農村の間の競争条件を公平にしないばかりか、むしろ地域の不平等を悪化させたことを示唆している。
二極化する労働力
この研究では、UpWork(アップワーク)やFiverr(ファイバ)といったオンライン労働プラットフォームの利用状況を調査し、スキルや地域によって労働市場が大きく二極化する傾向があることを明らかにした。より均等な仕事の分配は見られなかった。つまり、先進国かつ国際的な都市に住んでいる人に仕事が集中する傾向にあるということだ。
このように、どこからでも働ける技術的な障壁はなくなったものの、経済的・制度的な障壁が残っているため、リモートの労働市場は国や地域によって大きく二極化されているのだ。さらに、研究者らは、職種間でも大きな違いがあることを発見した。
「国別で見ると北米、ヨーロッパ、南アジアと分かれています。北米、ヨーロッパ、南アジアのリモートプラットフォームワーカーはほとんどの仕事を獲得していますが、南半球の多くの国々はわずかな参加にとどまっています。リモートでの仕事は大都市に引き抜かれ、地方は遅れをとっています」と彼らは語っている。
場所に基づく制度
この調査結果は、引き続き「場所」が重要であることを示している。特に、その場所で利用可能な制度という点で、これらの制度はたとえリモートであっても、仕事を可能にする上で重要な役割を果たす。
例えば、労働市場で求められているデジタル技術を持つ人は、職業訓練や専門教育、現地のさまざまなビジネスチャンスにアクセスできる人である可能性が高いと研究者は考えている。つまり、都市に住む人たちがよりアクセスしやすいものだ。