1月9日に発表されたマンハイム中古車価格指数によると、米国の12月の中古車価格は11月から0.8%上昇したが、1年前との比較では14.9%のマイナスで、過去最大の年間下落率を記録した。カテゴリ別で最大の下落となったのはSUVで16.6%の下落だった。また、中型車がマイナス15.8%、高級車もマイナス15.2%だった。
中古車価格はパンデミックの初期に半導体の入手が困難になったことを受けて60%近く急騰したが、マンハイム中古車価格指数はここ3カ月連続で、前年比割れを記録している。
パンテオン・マクロのチーフエコノミストは最近のメモで、「自動車ディーラーの利益幅はパンデミックの間に、他のどこよりも速く拡大したが、サプライチェーンの懸念が和らぐにつれ、価格はさらに下がる可能性がある」と指摘した。
ゴールドマン・サックスのエコノミストも先月の顧客向けメモで、オークション価格の低下と供給制約の緩和を反映して、消費者向けの中古車価格が低下し、最終的には消費者物価指数で測定される全体的なインフレの緩和に役立つことを期待していると述べた。
調査会社CarGurusによると、全米の中古車の平均出品価格は2万8755ドルで、昨年記録した3万1000ドル超の高値からは下落したものの、パンデミック前の約2万1300ドルを大きく上回っている。
米労働統計局は12月のインフレレポートを12日に発表する。バンク・オブ・アメリカのエコノミストは、消費者物価指数が11月から12月にかけて0.1%下落し、コア価格が0.5%減で3カ月連続の下落となったと見ているが、その背景に「中古車価格の大幅な下落が続いたことがある」と指摘した。先月は、中古車価格の2.9%の下落により、インフレ率がエコノミストの予想以上に低下していた。
(forbes.com 原文)