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消費経済:小売業とそれを改革する人々について執筆

Photo by Stefanie Keenan/Getty Images for Target



フォーブス最新号(米国版)の表紙を飾ったハリウッド女優、ジェシカ・アルバ(34)。今や年商1億5,000万ドル(約185億円)のエコ企業「The Honest Company」の社長として知られる彼女だが「実業家として世間に受け入れられるまでには、随分時間がかかった」という。
「世間は私のことを“ビキニ姿で映画に出ている小娘”程度にしか見ていませんでした。見下したような態度で『頑張ってね』『商品のイメージキャラクターに戻るか、香水でも始めたら』と言われるようなことが3年半続きました」と彼女は言う。

先日ニューヨークで開催されたフォーブスの女性サミットで、彼女は自身がハリウッド女優からビジネスウーマンへ転身したことについて語った。ジェシカ・アルバは有害物質を含まない家庭用品を提供するThe Honest Company社を2011年に立ち上げ、翌年の年商は1,000万ドル。2014年には年商1億5,000万ドルに成長させた。

彼女がHonestを立ち上げることにしたのは、7年前に初めて妊娠した際、大手メーカーの洗剤を使っていて、腕に発疹ができたことがきっかけだった。
「容器に書かれている成分を調べてみると、この洗剤は昔、私の母親が使っていたような洗剤とはまったく別の物になっていることが分かったのです」

不明瞭な成分表示に疑念を抱いた彼女は、米国の化学物質検査制度がいかにずさんであるかを知り、不安は倍増した。彼女が特に不満だったのが1976年に制定された有害物質規制法(TSCA)だ。この法律では8万以上の化学物質がテストなしで家庭用品に残留することを認めている。
環境保護庁によって規制されている化学物質はたった5つ。日用品で使用を禁止されている化学物質は11に留まる。(ヨーロッパでは1,300以上の化学物質が禁止されている。)

「体に直接触れる製品に有害物質が含まれているとしたら大変なことです。私の家には生まれたての赤ちゃんがいるのですから。私の母は23歳で子宮頸がんを患いました。祖母は胃がんで命を落としました。私は病に苦しむ人々を見て育ったのです。こうしたことは、もうおしまいにしなければなりません。私には不妊に悩む20代の友人たちもいます」とジェシカ・アルバは話す。

彼女はまた、The Honest Companyを立ち上げた際の失敗談も披露した。
「私たちはいつクラッシュするか分からないベータ版のサイトでビジネスを始めました。最初の5週間はクレジットカードの決済機能も使えないまま、オムツやおしり拭きを顧客に発送していました。いつ会社がつぶれても不思議ではありませんでした」

ハリウッド女優としてのキャリアは、後の起業を意識してのものだった。
「私はエンターテイメント業界でかなり若いうちから随分稼ぎ、それを貯めてきました。20代の頃は特に、クリエイティブな仕事よりも、できるだけ稼げる仕事を選んでいました。女優の仕事でずっと稼ぎ続けることは難しいと分かっていたからです」
彼女の両親はそれぞれ3つの仕事を掛け持ちし、割引クーポン券に頼る質素な暮らしだった。夫婦仲はあまり良いとは言えなかった。
「生活は苦しかった。私はそんな風に生きていくのは嫌でした。」

The Honest社の時価総額は今や10億ドル(約1,234億円)に及ぶが、ジェシカ・アルバはまだまだ野心的だ。
「このビジネスの可能性を考えれば、10億ドルは大した額とは思えません。でも、子育てをしている私みたいな主婦が、こんなことが出来るんだと思うと、素晴らしいことですよね」

文=クレア・オコナー( Forbes)/ 編集=上田裕資

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