ジョージ・ソロス、ジム・ロジャーズ、ピーター・リンチ……など、これまで“伝説”を残した投資家を挙げればきりがない。
フォーブス ジャパン2014年10月号では、「投資は哲学だ!」という特集テーマに適した投資家を9人選び、その投資実績や投資術、名言から彼らの投資哲学をひもといていく。
明神茂(65) 元ソロモン・ブラザーズ副会長
名言:「自分がマーケットより賢いと思うな」
影響を受けた人物:ジョン・メリウェザー
ニックネーム:シュガー。海外の友人が本名の「SHIGERU」を発音できないことからついた。
先見の明:世界で初めてボンド(債券)オプションを用いたレポ市場のアービトラージ(裁定取引)を行い、莫大な利益を得る。
投資実績:金融工学を用いて、債券の証券間、限月間の“価格のゆがみ”を見つける債券アービトラージが手法。マクロ分析にすぐれ、市場が大きく変化するときに、大きな賭けを行うことで知られている。緻密な金融工学を使うというよりは、“物事の本質”を突いての取引で大きなポジションを取った。1989年、90年とソロモン・ブラザーズのトレーディング収益の多くを稼ぎ出し、91年には同社全体の税引前利益である9億1,900万ドルの半分近くをひとりで稼ぎ出した。
FROM EDITOR-IN-CHIEF
日本人の伝説のトレーダー。シュガーの愛称をもつ。
1980年代にソロモン・ブラザーズ証券にて、当時まだなじみの薄かった金融工学を駆使し、一時はソロモン全体の半分近くの利益をひとりで稼いだ。
マネックス証券の松本大社長、あすかアセットマネジメントの谷家衛会長の元上司。
マスコミに出ることはほとんどなく、彼についての情報が皆無であることも、伝説性を高めている。黒木亮の小説『巨大投資銀行』のソルト竜神のモデル。