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2015.06.25

伝説の投資家に学ぶ「今に活きる哲学」06ジョン・C・ボーグル

フォーブス ジャパン10月号より

伝説の投資家は、もちろんウォーレン・バフェットだけではない。
ジョージ・ソロス、ジム・ロジャーズ、ピーター・リンチ……など、これまで“伝説”を残した投資家を挙げればきりがない。
フォーブス ジャパン2014年10月号では、「投資は哲学だ!」という特集テーマに適した投資家を9人選び、その投資実績や投資術、名言から彼らの投資哲学をひもといていく。



ジョン・C・ボーグル(78) バンガード創業者

投資哲学:問題は運用コストだ。

ニックネーム:ジャック、セイント・ジャック(支援者と中傷者から同様に)

名言:「長期の複利で計算される利回りの奇跡を、長期の複利で計算されるコストに制圧されないようにすること」

投資実績:1976年、ボーグルが業界初の個人投資家向けインデックス・ファンドであるバンガード500を設立したとき、「ボーグルの愚行」とあざ笑う向きもあった。しかし、現在、ボーグルの「いずれにせよ、市場には勝てないのだから費用を安くするのが大切だ」との破壊的な考え方は、広く認められている。いまでは、バンガード・グループは資金2.6兆ドルを運用する世界最大の投資信託グループに成長している。

ボーグル流投資:バンガード・トータル株式市場インデックス・ファンドとバンガード・トータル債券市場インデックス・ファンドに分散する。払い込みを自動にして、株のことは考えないようにする。ほかにもっとやる事があるはずだ。

FROM EDITOR-IN-CHIEF
伝説的投資家がみな、市場に勝つことを信じて投資しているのに対し、市場に勝つことは難しいとし、唯一「市場に追従する」のを目的としたインデックス運用を行う。
『ウォール街のランダム・ウォーカー』のマルキールや「効率的市場仮説の父」と呼ばれるファーマの影響を受けた。
証券投資理論をきちんと勉強した人から見たら、至極説得力のある手法であるものの、面白さに欠ける。私自身は、市場には勝てると思っているが……。

フォーブス = 文 フィリップ・ペライク = イラスト 原田隆弘 / 浦辺忠徳 / 岡本富士子 = 訳

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