ジョージ・ソロス、ジム・ロジャーズ、ピーター・リンチ……など、これまで“伝説”を残した投資家を挙げればきりがない。
フォーブス ジャパン2014年10月号では、「投資は哲学だ!」という特集テーマに適した投資家を9人選び、その投資実績や投資術、名言から彼らの投資哲学をひもといていく。
ピーター・リンチ(70) 元フィデリティ・マゼラン・ファンドファンドマネジャー
投資哲学:自分の知っているものに投資する。
ベストセラー:『ワン・アップ・オン・ウォール・ストリート』(1989)
名言:「誰でも株式市場についていける知力を持っている。小学5年生の算数をこなせれば、あなたにもできる」
投資実績:リンチは1980年代に29%の年平均利回りをたたきだし、フィデリティ・マゼラン・ファンドを世界最大の投資信託のひとつに成長させた。秘訣は、時系列的に見て株価収益率が低い株式を狙い、急成長企業を避けて市場予測を無視すること。リンチは1990年にそれまで13年連続で市場を上回ってきた業績が、4.5%のマイナスで終わりを告げた後、引退した。
リンチ流投資:ツイッターやアマゾンではなく、ネットアップ、バレット・ビジネス・サービス、ホンダ、パブリックスといった、事業内容がわかりやすく、企業ビジョンが明白かつ、しっかりした収益基盤をもつ会社に投資している。
FROM EDITOR-IN-CHIEF
かの有名な「マゼラン・ファンド」のファンドマネジャーとして13年間でファンドの資産を700倍にした伝説的株式投資家。
株式投資で有名なフィデリティ社社長のゴルフキャディをしていたことが縁で、同社の証券アナリストになった。
運用手法は、実にシンプルで、徹底した企業調査によりファンダメンタルズを分析し、割安(と思われる)株を買い、割高(と思われる)株を売る。最も有名な言葉は「自分の知っているものに投資する」。