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Bellabeat社が発表した「Leaf」。女性がペンダントやクリップのように服に装着できる「スマート・ジュエリー」 (Photo via Bellabeat)



ウェアラブルは、コンシューマー・テクノロジー分野の大ヒット商品になりつつある。健康管理ブームの中、Fitbit、Jawbone、Appleなどのメーカーが相次いでリストバンド型端末を発表している。しかし、心拍計などが定番の機能になりつつある一方、女性の健康において最も重要な指標である月経周期に着目したデバイスはこれまであまり見られなかった。
女性向けヘルストラッキングを推進する企業、Bellabeat社の女性重役Urska Srsenは「従来のデバイスメーカーは、機器の外見を可愛らしくデザインするだけで、“女性向け”と謳ってきた」と指摘する。

「女性専用の健康管理機能が備わったソフトは未だ開発されてないんです」と彼女は話す。
Apple Healthは、直近の製品アップデートで銅やセレンの摂取量など、マニアックな健康指標を管理できる機能を追加した。しかし、人口の半分を占める女性が最も重要だと考える月経周期は無視された。

何故だろうか? メディアサイトFusionのKashmir Hillは、Appleの重役のほぼ全員が男性であることが原因だろうと考えている。また、男性が大半を占めるエンジニアたちにとって、女性の月経は気まずい話題なのかもしれない。
「メーカーは女性の健康をニッチ市場と捉えているのかもしれません」と、カリフォルニア州マウンテンビューにあるオフィスでBellabeat社のSrsenは話してくれた。

スロベニア生まれのSrsenは、Leafという女性をターゲットにしたウェアラブル端末を開発した。Leafは、女性がペンダントやクリップのように服に装着できる「スマート・ジュエリー」で、歩数、活動量、睡眠をモニタリングできる他、呼吸を計測することで、ストレスレベルを測ることもできる。

これまでの女性向けウェアラブル端末としては、FitbitがジュエリーデザイナーのTory Burchを起用したFitbit Flixの豪華版や、Misfit社がSwarovskiとコラボしたMisfit Shineなどが挙げられる。

しかし、Leafはこれらの製品の一歩先を行き、女性が月経周期を管理できるアプリを搭載した。これまでにも同様の機能を持つアプリは多くあったが、ウェアラブル端末をハブとして、周期、睡眠、呼吸、行動パターンなどを一元管理し、それぞれの指標を関連付けることができる点が、Leafのユニークな点だ。

ユーザーの1人であるSaracen(25歳)は、Leafを使うことで「月経が近づくとエネルギーレベルが低下し、寝付きにくくなることがデータで示された」と言う。「これまでもそうした問題があったことは理解していましたが、どうやって改善すればよいのか分かりませんでした」と彼女は話す。
Saracenは、Leafを使用し始めてから、月経が近づいたら、エネルギーレベルを高めることに特別な注意を払うようになったと言う。

「今では、体をだるいままに放っておくのではなく、クロスフィット・エクササイズをするようにしています」
月経の管理は、避妊具を使用しない女性にとっては妊娠を避ける上で重要であり、逆に妊娠をしたい女性にとっては、最適なタイミングを計る上で大切だ。将来的には、Leafで体温も測定することで、より精度を向上することを狙っている。

Bellabeat社の従業員数は35名。マウンテンビューのほか、クロアチア、中国の深圳市にオフィスを置いている。
「ウェアラブル市場は変化が速く、競争が厳しい。一つの製品が完成したと思ったら、すぐに次の製品を開発しなければなりません」とSrsenは言う。今後は光センサーを活用し、ホルモンバランスの測定ができるデバイスの開発にも取り組んでいくという。

産婦人科医を母親に持つSrsenは2年前にBellabeat社を創業。2014年にスタートアップ養成スクールとして有名なY Combinatorの冬期クラスに参加し、ビジネスのアイデアを固めていった。
最初の製品、「Bellabeat」と名付けた胎児用の心拍数モニターは40,000個を販売し、120万ドルの売上を達成した。

「私たちのビジョンは、女性がライフステージに合わせて健康を管理できるデバイスを開発することです」とSrsenは話す。「ウェアラブルは、もっと個人にパーソナライズすることが大切です。ハードウェアだけでなくソフトウェアの設計も重要だと考えています」

文=パーミー・オルソン(Forbes)/ 編集=上田裕資

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