転職活動は会社にバレないように、こっそり行うのが常識だ。もし上司があなたの転職活動を察知したら、大事な仕事は回してもらえなくなるし、重要な会議のメンバーからはハズされ、昇給も見送られるだろう。
そんな羽目に陥らないためのアドバイスをまとめてみた。もちろん、逆のシナリオも考えられる。優秀なあなたを手離したくない上司が、昇給や昇進を申し出て引き止めにかかるのだ。
とはいえ、ほとんどの場合には、採用通知をしっかりと手にするまで、秘密裏に事を進めるのが賢明だろう。今の職場に留まることになるかもしれないのなら、波風を立てないのにこしたことはない。
トップクラスのエグゼクティブたちの転職を数多く手がけてきたキャリアコンサルタント、デブラ・フェルドマンのアドバイスをもとに、そのコツをまとめてみた。当たり前のことばかりだと思うかもしれないが、フェルドマンによるとこうしたミスを犯す人は、うんざりするほどいるのだという。
1.職場のメールや電話は使わない
毎日50〜100通も行き交うメールを会社はいちいちチェックしていないと能天気に考えるのはやめよう。上司は全部お見通しだ。もし、あなたのスマートフォンが会社から支給されたものだったら、すぐに個人名義のものを手に入れよう。アカウントをいくつも持つのは面倒臭いと思うかもしれないが、どんなにITに疎くても、Gメールのアカウントを個人所有のiPhoneに設定する程度のことはやっておこう。
2.ヘッドハンターに「秘密厳守」を誓わせる
ヘッドハンターたちは慎重に事を運んでくれるが、どこかであなたの名前が漏れないとも限らない。秘密を守る言質をとること。あなたが今、働いている会社のために彼らが動いていることも考えられるのだ。
3.面接のために仮病を使わない
これについては、私とフェルドマンの間で意見が分かれている。私は一度も病欠したり有給休暇をとったことのない人が、面接のために仮病を使うのは悪いことだとは思わない。だがフェルドマンは主張する。
「もし上司が、電話でいいから会議に参加してくれと言ってきたらどうする?それが面接時間と重なっていたとしたら?」
ちゃんと休みをとったほうが、後で面倒なことにならずにすむかもしれない。
4.面談は会社にいなくてもいい時間帯にセッティングする
転職活動の面談は、朝食の時間に行うのがベストだろう。また、フェルドマンは多くのエグゼクティブたちと、出張の合間に空港で面談したと語る。クライアントが定期的に参加している経済フォーラムの会場で会ったこともあるという。
5.いつもと違う服装でオフィスに行かない
いつもはジーンズなのに突然きちんとしたパンツスタイルでオフィスに現れたとしたら、周囲の注目を集めてしまう。面接の後は、普段の服に着替えてから職場に向かおう。
いつもはスーツ姿の人が、フェィスブックに面接に行くとしたら、パーカーで面接に望み、その後はスーツに着替えて会社に戻ろう。
6. LinkedInのプロフィールを更新する時は通知をオフにする
ネット上のプロフィール欄で自分の業績や昇進についての情報を更新すれば、自分自身を売り込むのにも役立つ。しかし、あまりに頻繁すぎると転職活動中であることがバレてしまう。しばらくの間は更新通知をオフにしておくのが賢明だろう。
7.職場の同僚には相談するな
転職活動には、アドバイスをくれたりサポートしてくれる親友やメンターが必要だ。ただし、秘密を厳守してくれる人を選ぶこと。職場の仲間を信頼するのはリスクが伴う。
8.ソーシャルメディアに投稿しない
当たり前のことをなんで今さらと思うかもしれないが、最近では、フェイスブックやツイッターに日々の出来事を投稿せずにはいられない人が増えている。遠回しに言ったつもりでも、バレる危険性は大きい。上司は部下のソーシャルメディアへの投稿を定期的にチェックしているものだ。
9.履歴書や職務経歴書を会社でプリントアウトしない
これも当たり前のことなのに、多くの人が犯しがちな過ちだ。キンコーズに行って出力するか、自分でプリンターを買うこと。転職活動にはお金がかかると覚悟すべし。
10.推薦状は転職した元の上司や同僚からもらう
推薦状は別の会社に転職した元の上司や同僚で、あなたの仕事ぶりを良く知っている人に頼もう。もちろん、職探しをしていることを秘密にしてくれるよう念押しするのを忘れてはならない。今の上司に頼むのはもってのほかだ。
11.仕事はいつも通りこなす
転職活動はフルタイムで働くのと同じくらい大変だ。だが、いつもの仕事をちゃんとこなしていないと、何かあったなと気付かれてしまうだろう。
細心の注意を払ったはずなのに、もし、上司にバレてしまったら?その時は正直に告白し、話し合いをもとう。あなたが何を求め、何を変えたいと思っているのかを率直に話せば、状況は思わぬ方向に好転するかもしれない。