「多様性」のあるチームにする
シリコンバレーで急成長し、“Billion Dollar Club”の仲間入りをした企業のひとつにクラウドフレア(CloudFlare)がある。ミシェル・ザトリンとマシュー・プリンス、リー・ホロウェイの3人が創業したインターネット・セキュリティ企業だ。
ミシェル・ザトリンは、東芝でプロダクトマネジャーを務め、グーグルなどに勤務経験がある。マシュー・プリンスは、7歳からプログラミングを行い、大学卒業後はシカゴの弁護士事務所に勤務した。ハーバード・ビジネス・スクールの同級生という共通項はあるが、専門性が異なる共同創業者チームだ。ザトリンは「多様性には大きな力がある」と話す。
「マシューとリーと私には、会社のビジョンや目標の共有など多くの重なる部分があります。しかし、私たちには多くの異なる部分もあるのです」
「私はいつも起業家に自分と異なるスキルを持つ共同創業者を見つけるべきだと言っています。あまりにも似た者同士だと物事が迅速に進まず、横に動くようになります」
(中略)
外部からアドバイスを受けられる体制をつくる
ザトリンは、適切な投資家を選ぶ条件として「失敗したときに、その投資家に電話できるかどうか」と話す。クラウドフレアはこれまで大口顧客を失った経験やオフィスへの不法侵入、ハッキングの試みなどのアクシデントがあったが、ザトリンは「善人にも悪いことは起こります。そこで前進しなければならないのです」と話す。必ず訪れる危機を乗り越えるためには、「強いチーム」の一員として外部アドバイザーがいることと、そのアドバイスを受け入れる体制は不可欠なのだ。