Twitterは動画広告システムAmplifyを従来よりも大幅に使いやすくした新バージョン「Auto Amplify」を発表した。登場から2年を経たAmplifyだが、これによりさらに多くのスポンサーに利用されることを狙っている。アナリストらがTwitterの広告分野での苦戦を懸念する中、同社にとってこの新機能は重要な意味を持つだろう。
Amplifyを使うと、レブロンのようなブランド広告主は、メディア企業が版権を保有する動画やGIFアニメ、写真などを含むツイートをスポンサードすることができる。広告主は、サッカーのゴール場面や人気ドラマの映像クリップを自社のツイート広告に含め、ターゲットユーザーに宣伝できるのだ。Auto Amplifyの導入により、これまではTwitterとパートナー企業の間で何度もやり取りが必要だった手間を劇的に軽減する。
「我々は、広告主がツイートをユーザーに届けるのに要する時間をゼロにしようとしている」とTwitter のシニアディレクターのGlenn Brownは述べている。
「Twitter上でユーザーの興奮が最高潮に達した瞬間が、映像クリップを表示する最適なタイミングだ。リツイートやシェアによりリーチ数が増加し、ユーザーが最も熱くなっている瞬間に彼らのスマホに映像クリップを届けるんだ」
Amplifyによって、広告主とメディアパブリッシャーは、相互のユーザーを可視化することができる。しかし、Amplifyの効果はそれだけでない。「Twitterは新しいAmplifyによって、ユーザーに高品質なビジュアルコンテンツを迅速に届け、ユーザー体験をより楽しくすることができる」とBrownは言う。
2年前にAmplifyがスタートした際、Brownは「これは実生活での出来事と、Twitterでの体験を視覚的に同期させたい狙いから生み出されたサービスだ」と語っている。
「テレビ番組やスポーツの映像クリップがリアルタイムでユーザーの携帯電話に届き、ユーザーがそれを友人にシェアすることができたら、最もTwitterらしいサービスになると考えたんだ」とBrownは話す。
「ユーザーの携帯電話がバイブして、画面にバスケットボールの試合でのダンクシュートの映像が流れるのは、何ともTwitterらしいサービスだろう。それがよりタイムリーに、最適なターゲットユーザーに可能になれば、さらに魅力的な体験になるはずだ」
最近のAmplify広告で、サムスンはビルボード・ミュージック・アワードでのテイラー・スウィフトの受賞スピーチの動画をスポンサードした。このツイートは、#CongratsTaylorというハッシュタグを使い、140文字の制限の中で、この賞のスポンサーがサムスンであることや、サムスンの公式アカウント名を紹介した。
Amplifyのアップデートの背景には、Twitterへの「広告事業を収益化し、新規ユーザー数を増やせ」というウォール街からの圧力がある。今年のTwitterの第一四半期の売上成長率は、IPO後最低の水準となった。しかし、CEOのディック・コストロは「会社の業績は軌道に乗っており、ダイレクトレスポンス広告事業が熟せば、収益は改善する」と述べている。Twitterは、新Amplifyをリリースする数ヶ月前に、動画配信アプリ「Periscope」を買収しており、これによってTwitter上でのライブ動画視聴がかつてなく盛り上がっている。
「Amplifyを使うと広告主はプロモツイートと同じ手法で、動画を使ってターゲットユーザーにリーチできる」という。地域や性別、言語、デバイス、興味などの様々なオプションでターゲットを絞り込むことが可能だ。
「我々は、かつてのテレビ広告のコンセプトをモバイルに持ち込んだんだ。世界中の人々は、かつてテレビの中の起きていたことを、今やスマートフォンで見るようになっているんだ」とBrownは語った。