テクノロジーと人間のトレードオフは、今に始まった問題ではない。軍事戦略、民主主義、哲学など、私たちが今日取り組んでいる多くのテーマは、古代ギリシャ人が基準を確立し、私たちはそれを苦労して追い続けている。技術面では、ギリシャの哲学者たちはオートメーション(ロボット)について論じ、ダイダロスのようなエンジニアが動く像や動物のモデルを発明したといわれており、ギリシャ神話には「タロス」という、クレタ島を守る巨大な動くブロンズ像が登場する。
現代では、人間の専門家をテクノロジーで置き換えるのではなく、専門家がテクノロジーをいかに活用するかが最前線のトピックだ。たとえば、米軍内では、小さな部隊によるさまざまなドローン、インテリジェンス中心のツール、およびいくつかの兵器化された機械の使用が、熱心な研究と実践の対象となっている。また、ウクライナ軍が防衛のためにサテライトや人工知能技術を使用することで、ますます有利な結果を得ていることは明らかだ。
ロボットやAIの軍事利用は、潜在的に恐ろしい結果をもたらす。だからこそ、法律と哲学の両方でテクノロジーの利用状況を把握し、その利用に境界線を設けることが重要なのだ。