そうした市場の動きから、新築だけでなく中古マンションも選択肢に入れる人は増えているが、中古マンションの購入には壁があるようだ。
中古住宅のオンラインマーケット「カウカモ」を運営するツクルバは、2023年にマンション購入を希望する首都圏の一都三県在住の300名を対象に、「住まい探し」に関する意識調査を実施。
購入を検討しているマンションについて聞いたところ、最多が「新築のみ」で43.3%。続いて「新築・中古両方」(37%)、「中古のみ」は(19.7%)となり、半数以上が中古マンションを選択肢に入れていることがわかった。
プレスリリースより(以下同)
一方で、「中古」の住まいへの抵抗感について尋ねると、「まあまあある」(44.4%)と「とてもある」(21.3%)、合わせて6割強が「中古の住まいに抵抗感がある」と回答。選択肢として中古マンションの存在感は高まっているものの、購入に抵抗感を抱く人が多いという事実が明らかになった。
中古マンションの購入希望者(170名)に中古マンションを検討する理由を質問したところ、「値段の手ごろさ」が最も多く、72.4%に上ったほか、次いで「特定エリアでの選択肢の多さ」(53.5%)や「管理状態が確認できる点」(38.2%)の答えが並んだ。
一方、中古マンションを検討する際の懸念や不安については、「安全性や管理状態が分からない」「内装や設備が古そう」(いずれも48.2%)、「良い物件の見極め方が分からない」(47.1%)の答えが上位に。中古マンションを選ぶ際に不安を感じている人が、半数近く存在した。
さらに、中古マンション購入希望者にリノベーションマンションの購入を検討するかを聞くと、7割が「興味があり、購入を検討する」と回答。理由としては、「設備が新しくなっているから」(71.3%)が最多で、「内装やデザインが魅力的なものが多そうだから」(67.2%)、「自分でリノベーションやリフォームをする必要がないから」(58.2%)が続いた(いずれも複数回答可)。
半数近くが中古マンションに「内装や設備が古そう」と懸念を抱くものの、リノベーションマンションでは「設備が新しくなっている」点を評価し、購入を検討する人が多い現状が分かった。
他にも、今回購入する住まいを売却する予定については、4分の1(25%)以上が5年程度までの期間で売却を予定していると回答。年代別に見ると、20代は4割以上(42.6%)、30代で約3割(29.3%)が5年程度までの売却を予定しており、年代が上がるにつれ同割合は低下。若い層ほど短期間での売却・住み替えを前提に、マンションを探している傾向が見えた。
物件価格が高騰する中、あえて今、マンションを買う人も、買わない人もいるだろう。もし前者なら、物件探しや選び方のコツ、住みなし方のポイントを押さえ、自身のライフスタイルや暮らし方に合わせて、新築、中古、リノベーションタイプと幅広く住まいを検討していくことが、購入後に後悔のない、幸せな生活への近道になるはずだ。