Loooptopiaでは「Rainbooow Fields」や「Neon Studiooo」、「Fabric Fooorest」、「Utopia City」といった世界を展開。ユーザーはそこを訪れて、遊び感覚でさまざまな服の素材やパターンなどを試し、アバターが次に着る服やワードローブを手軽につくることができる。
H&Mアメリカズで顧客アクティベーション・マーケティング部門を統括するリンダ・リーは「ユーザーは素材などのアイテムを集めて、何千、何万とおりものコーディネートを生み出せます」と説明する。そうした衣装をステージで披露したり、友人と交換したりもできるという。
リーは新事業についてこう説明している。「H&Mがターゲットにしている顧客というのは、デジタルに通じていて、現実世界であれメタバースであれ、ファッションによって自分らしさを紡ぎたいと思っている人なんです。ですから、H&Mが何らかのかたちでメタバースにかかわりたいと思うのは当然のことです。メタバースは、わたしたちの関心や、革新的で、つねに学ぶ姿勢と好奇心をもったファッション企業としての当社のDNAと重なる部分も多い」
Loooptopiaはサーキュラーな活動を楽しみの中心に据えたものにもなっている。リーによると、ユーザーが服をリサイクルすることでレアアイテムや賞品を集め、ゲーム内での経験を深められる仕組みになっているという。
ファストファッションブランドのひとつであるH&Mは、安価な服が大量に生産される状況をめぐって批判にさらされてきた。近年は、古着の素材を再利用して新しい服を生み出すシステム「Looop(ループ)」などさまざまなリサイクルプログラムを導入し、循環型社会への対応を進めている。
リーはゲームを通じて「若い世代にサステナビリティやサーキュラリティに触れてもらうのは素晴らしいアイデア」だと述べ、「サステナビリティ一般、とくに、ファッションとサステナビリティの結びつきに対する認識がさらに広がっていってほしい」と期待を込めている。
H&MはLoooptopiaを多くの人に知ってもらう取り組みを進めていく考えだ。「既存の顧客層に対してはもちろん広く伝えていきますし、Robloxにいる大勢の好奇心旺盛なユーザーを取り込んでいくことにも非常に関心があります」(リー)。Loooptopiaは継続的にアップデートしていく予定だという。
Robloxはファッション業界でも人気のプラットホームになっている。これまでにクレアーズ、ギャップ、アメリカン・イーグル、フォーエバー21、ナイキなどのほか、ラルフローレンやジバンシィ、グッチといった高級ブランドも進出している。
(forbes.com 原文)