テクノロジー

2023.01.11 14:00

NASA望遠鏡が大量の水と水蒸気に覆われた地球サイズの系外惑星発見

イラストの手前がスーパー・アース、ケプラー138d。左がケプラー138c、後は、親星の前を通過するケプラー138bのシルエット。赤色矮星、ケプラー138は218光年の彼方にある(NASA, ESA, LEAH HUSTAK [STSCI])


しかし、現時点で得られているデータには不確実な点が数多くある。これらの惑星は親星の非常に近くを周回しており、そこはハビタブルゾーン(生命が存在しうる領域)の外であり、その著しい高温のためにおしゃれななプールというよりは蒸風呂のような状態になっているはずだ。
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「ケプラー138dの大気温度は水の沸点を超えている可能性が高く、この惑星に水蒸気からなる深く濃い大気を形成していることが予想されます」と研究チームのリーダーであるキャロライン・ピオーレはいう。「水蒸気大気の下に、高圧の液体である水あるいは、高圧下に存在する別の相である超臨界流体が存在する可能性があります」

この世界はケビン・コスナーの映画『ウォーターワールド』で描かれる『パーフェクトストーム』と『マッドマックス』を合わせたような世界よりもさらに神秘的だ。


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水をたたえた双子のスーパーアースが、星間旅行の目的地になることは当分ありそうにないが、研究チームはさらに、4番目の惑星となるケプラー138eも発見しており、こちらはハビタブルゾーンの中にある。

現在、この惑星については、周回に約38日かかること以外ほとんどわかっていない。また、これらの惑星の一部あるいは全部が、公転と自転の周期が一致する潮汐ロックの状態にある可能性も少なからずある。

これは、月が地球に対して常に同じ面を見せているのと同じように、これらの系外惑星が親星に同じ面を見せ続け、昼と夜の側が恒久的に決まっていることを意味している。その惑星の半分は常に過熱状態にあり、反対側は凍結した暗黒であるということであり、生命の可能性があるとすれば明から暗に変わる明暗境界線と呼ばれる部分に限定される。

しかし、最近の研究は、水分の多い潮汐ロックの世界が、温暖な境界を維持する理想的環境ではないことも示されている。

つまり、もしケプラー138eが居住可能であることを期待するなら、姉妹惑星らのような水に満ちた場所ではないことを願うしかない。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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