ソーシャルメディア上で商品を提案するインフルエンサーは特にTikTokで活発だ。インフルエンサーの中には中国に拠点を置いている人もいるといわれている。これは米政府にとって気がかりな点だ。最大の懸念は外国の人物(またはインフルエンサー)がユーザーの機密情報にアクセスするかもしれないということで、そうしたユーザーがたまたま政府のメンバーであったり、政府の重要インフラや政策問題を扱う米企業の従業員であったりする場合はリスクとなる。中国政府は(ByteDanceのような)民間企業にデータを提出させ、それを自らの不正目的で使用することができる。
TikTokの未来
米政府はTikTokがユーザーの行動を監視して集めたデータと、広告収益をあげる能力の両方を懸念している。こうした懸念から、共和党は反TikTokのロビー活動を展開し、TikTokは共和党の政治的な標的になっている。このような反感はTikTokの評判を落とし、広告主を遠ざけることになった。議会の構成が変わったことでTikTokはさらに攻撃を受ける可能性が出てきている。
TikTokが米国から追放される可能性もあるが、人気があるためその可能性は低いと有識者は見ている。誰もが有権者の機嫌を損ねたくない。またTikTokの人気ぶりから、全国的に禁止措置が取られる可能性は低そうだ。
高齢のTikTok初心者として、筆者はいくつかの犬の動画で笑ったりしているが、このアプリが若い人向けであることを実感している。多くのユーザーが毎日、宿題をする代わりに、共有されるおもしろい話やインフルエンサーの案内を視聴している。気がかりなのは、一見、無害に見える娯楽や気晴らしへの欲求がユーザー情報の悪用という結果をもたらし、それがTikTokの失墜につながり得るということだ。
(forbes.com 原文)