テクノロジー

2023.01.10 10:00

自動運転車の現在(3)「貨物を運ぶロボット」

CES2022に出展されたAurora自動運転トラック(Getty Images)


同じく上場企業であるEmbarkは、Crunchbase Newsに「無価値以下」といわれている。私は市場に精通している人間ではないが、私には、まだ製品を発表していない会社が公開証券市場で取引されることの難しさを表現しているように見える。だがEmbarkは、Knight-Swift(KS)との緊密なパートナーシップによって、その強みを発揮している。Embarkの技術が確かなものであり、すぐに使えることが証明されれば、KSがそれをドライバーレス運転に展開するのは順当な流れだ。大口出資者であるKSは、黒字化に向けて育成の役割を果たすことができる。その評価は、ウォール街から発せられる騒音よりもずっと大きな意味を持つかもしれない。
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Kodiakは、L4システムの成熟にともない、テキサス州とオクラホマ州で大規模な貨物輸送を行っている。Kodiakのトラックは、Werner、IKEA(イケア)、Pilot(パイロット)、U.S.Xpress、CEVA Logistics(シーバロジスティックス)、10 Roads Express(テン・ロードエクスプレス)の商品を輸送している。米国国防総省から陸軍ロボット戦闘車の自動化のために5000万ドル(約66億円)を獲得したことが、大きな後押しとなった。12月のTTNews Automate(ティーティーニュース・オートメイト)オンラインフォーラムでドン・ブルネットCEOが述べたように、この資金調達は「今後2、3年のうちに」商業的な開始が近づくにつれて役立ったことが判明するだろう。

TuSimpleの場合はホラーストーリーだ。技術力はあるが、経営面では厳しい課題を抱えている。2020年に発表された当初、大いに宣伝されたNavistar/Traton(ナビスター/トラトン)との筆頭OEM提携は、もう存在しない。時間が経てば、落ち込んだ穴から抜け出せる可能性がある。

2021年初めに起きたTuSimpleの衝突事故については、ウェブ上でさまざまな噂が飛び交っており、この事故はTuSimpleがずっと自動運転を偽装していたことを証明していると主張する声も多い。だが、深く掘り下げてみると、そうした主張は成り立たない。TuSimpleの事故の原因は、自動運転を起動する際の手続きミスによるものだった。このような間違いは決してあってはならないことであり、TuSimpleはこの件に関して当然非難されてきた。
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このような過失(そして事故)が発生したことから、TuSimpleのすべての機能が標準以下だと噂する無責任な声が聞かれるようになった。しかし、この手続きミスは、自動運転システムそのものが道路を走っているときにどのような性能を発揮するのかについては、何の関係もない。高速道路でのTuSimpleシステムの豊富な経験を持つ同僚は、それが非常に高いパフォーマンスを持つ運転システムであることを教えてくれた。また、TuSimpleのL4システムが、何百万マイル(何百万キロ)もの高速道路を無事故で走破していることも教えてくれた。現時点では、どちらかの味方をするわけではないが、TuSimpleを完全に否定するつもりもない。

Waabiは新参者だ。後発ながら、AIを活用したシミュレーションベースの開発アプローチにより、比較的早く最初の製品にたどり着けると主張している。私たちが見守る中、彼らは静かにトラック運送会社を口説き続けている。
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翻訳=酒匂寛

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