自動運転車の現在(3)「貨物を運ぶロボット」

CES2022に出展されたAurora自動運転トラック(Getty Images)


高速道路の走行:自動コンボイ


トラックのコンボイ(小隊)化技術は、この10年間、精力的に取り組まれてきた。現在は、Locomation(ロコメーション)が圧倒的な強さを誇っている。Locomationのホームページによると、同社のARC(自動リレーコンボイ、Autonomous Relay Convoys)は、先頭トラックと後続トラック、2人のドライバーで構成される2台のトラックコンボイだという。2台のトラックは自動運転システムを搭載し、いっしょに移動することができるように電子的にカップリングされている。1人のドライバーが先頭のトラックを運転し、2人目のドライバーは後続のトラックで「時間外」として休憩している。定期的に車両を入れ替えることで、先頭を走るドライバーと休憩するドライバーを交代させる。これにより、トラックの稼働と運転可能な時間の両方をより有効に活用することができる。

Wilson Logistics(ウィルソン・ロジスティックス)、Stevens Trucking(スティーブンス・トラッキング)、Christensen Transportation(クリステンセン・トランスポーテーション)など、複数のトラック運行会社がARCシステムの導入を申し込んでいる。Locomationは、ARCをL4トラックの大規模な導入に先立つ暫定的なビジネスモデルと位置づけており、最初のユニットは2023年後半にWilson Logisticsに納入される予定であると述べている。

高速道路の走行:L4自動運転


一般道でのL4自動化は、スタートアップのAurora(オーロラ)、Embark、Kodiak(コディアック)、Plus、TuSimple(トゥーシンプル)、Waabi(ワービ)、Waymo(ウェイモ)ならびに既存のほぼすべてのトラックOEMによって追求されている。そんな高速道路に特化したL4プレイヤーたちをざっとながめてみよう。

Auroraは、2023年第1四半期末までに自動運転技術の「機能的完成」を見込んでいる。2023年には大規模な最終検証段階を経て、2024年にはドライバーレスでの商用運転を開始する予定だ。Auroraは、FedEx(フェデックス)、Uber Freight(ウーバーフライト)、Schneider(シュナイダー)、Werner(ワーナー)、US Xpress(USエクスプレス)といった企業と取引している。現在、これらの顧客向けに週22回の貨物輸送を行っているが、今年末には週100回まで増加する見込みだ。Auroraは株式公開されているため、内容が詳細に監視されている。Auroraのクリス・アームソンCEOは、最近出された同社の将来について懐疑的な報道に対して「Auroraはこの先も独立性を保つ計画ですし、現在の資本市場の嵐を乗り切ることができる資本を持っています」と述べている
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翻訳=酒匂寛

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