日本財団は成人年齢前後にある若者の「価値観・ライフデザイン」をテーマにした18歳意識調査の結果を発表。全国の男女計1000名を対象にしたリサーチでは、結婚観や子供を持つことへの考えが明らかになった。
「将来結婚したいか」を尋ねると、「したい」が全体で43.8%となり、男女とも4割を超える結果に。しかし、「実際には結婚すると思うか」という質問には、「必ずすると思う」と答えた人の割合が男性で2割弱、女性で1割強にとどまった。男性では「考えたことがない」の回答が1割強に上り、女性の2倍になった。
さらに、「将来子どもを持ちたいか」を聞くと、 「持ちたいと思う」「どちらかと言えば持ちたいと思う」の回答が合わせて男性で6割強、女性で6割弱が「将来子どもを持ちたい」と回答。一方で、「実際には将来子どもを持つと思うか」については、「持つと思う」(「必ず持つと思う」と「多分持つと思う」の合計)が男女とも4割台となった。
日本財団は、結婚や子どもを持つことにおいて希望する人の割合と、実際にそうすると思う人の割合に差がある傾向について、「特に女性は、精神的・経済的な負担感や不安感を感じていることが見て取れる。周囲の人やメディアなどから見聞きした情報を基に結婚・ 出産・子育てに対して漠然とした不安を抱えている若い世代に対し、その不安を軽減するような情報提供や体験者とのコミュニケーションなどの支援が必要ではないか」と分析した。
また、少子高齢化への危機感について質問すると、全体で「感じる」と答えた人の割合が74.1%に(「非常に危機感を感じる」と「やや危機感を感じる」の合計)。
少子高齢化についての考え
プレスリリースより(以下同)
少子高齢化対策に対する政府の対応については、全体で「不十分」が82%を占め(「不十分である」「どちらかといえば不十分である」の合計)、「十分」とした人の割合が2割を下回った。
少子高齢化に対する現在の政府の対応について
実施してほしい少子化政策としては、全体で「教育の無償化」が最多(39.3%)となり、「子育て世代への手当・補助金の拡充」(32.9%)、「妊娠・出産に係る手当・補助金の拡充」(23.8%)が続いた(複数回答可)。少子化の背景には、経済的な理由が存在することが見て取れる。
また、政府の少子化対策が「どちらかというと不十分である」または「不十分である」と回答した人を対象に少子化対策の財源について聞いたところ、最多が「法人税率を上げる」(29.5%)。2位「年金関連支出を減らす」(22.2%)、3位「国際協力関連支出を減らす」(21.5%)となった(3つまで回答可)。
岸田首相は年頭「異次元の少子化対策」を行なう方針を打ち出したが、具体的な財源はまだ発表されていない。日本の未来を担う新成人の多くが少子化に危機感を抱くなか、その本気度が今、試されている。