経済・社会

2023.01.07 13:00

長引く米下院議長選、議場で親の宣誓を待つ議員の子どもらにも不満と疲労

Getty Images

2017年からカリフォルニア州34区を代表する民主党議員ジミー・ゴメスは、今週は特に議員として、また父親としての姿が目立っている。3日からテレビのインタビューを受けてきたゴメスは抱っこ紐で息子を胸に抱きながら議長投票を行い「息子のホッジと、拡充された児童税額控除を必要とするすべての勤労者世帯を代表して私はハキーム・ジェフリーズに一票を投じる」と宣言した。

民主党員の母親の選出を目指す政治活動委員会「Vote Mama」の創設者兼CEOであるリュバ・グレッヘン・シャーリーによると、議長選が長引くにつれ、新人議員の中には最終的に宣誓就任するときに家族がそばにいることが現実的かどうか疑い始めている人もいるという。グレッヘン・シャーリーは「未成年の子どもを持つ親にとってなぜ議会がこれほど近づきがたいものなのかをリアルタイムで目の当たりにしている」と話した。

「通常のスケジュールはなく、議長選の行き詰まりが育児に与える影響も考慮されておらず、この投票にどれだけ時間がかかっても親は待機していなければならないという懸念もないようだ」と指摘した。「現実には、この制度は未成年の子どもを持つ親をサポートするようにはできていない。議長選の膠着は、選挙で選ばれた指導者が議員としてまともに扱われるために、親としての役割を区別することになっていることを示す顕著な例だ」とも述べた。

ニューヨーク選出の民主党議員グレース・メンは、ワシントンでの勤務は「分単位で予定が組まれている」と話した。今、議会のスケジュールの混乱はメンの家族にも影響をおよぼしている。「この3日間で、子どもたちの学校への送り迎えの時間を調整しなければならなかった。学校行事や子どもたちのバスケットボールの試合、学校のプロジェクトの手伝いなどを見送った」と明らかにした。
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コロラド州選出の民主党議員ブリタニー・ペテルセンは、家族といっしょに宣誓することを諦めざるを得なかった第118期下院議員の1人だ。「州議会議員として、私は長い1日と予測不可能なスケジュールに慣れていたが、下院議員として宣誓するときに議場で息子を抱くのを心待ちにしていたので特に残念だ」「息子は今、夫といっしょにコロラド州に戻っており、私が最終的にいつ宣誓することになるかは誰にもわからない」と語った。

同じく家族をともなって議会に来たカリフォルニア州選出の民主党議員シドニー・カムラガーも不満を抱いている。「宣誓式は、新議員だけでなく、その家族にとってもすばらしい思い出になるはず」とカムラガーは話した。

カムラガーによると、下院少数派である民主党の院内総務ハキーム・ジェフリーズは4日夜に、正式な宣誓式を待ち続ける民主党議員のために記念撮影会を行ったという。「息子にその思い出を残せたことで、気持ちはましになっている」とカムラガーは語った。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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