経済・社会

2023.01.07 13:00

長引く米下院議長選、議場で親の宣誓を待つ議員の子どもらにも不満と疲労

Getty Images

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2019年に米下院議長ナンシー・ペロシが「すべての米国の子どもたちに代わって」議会を開会したとき、ペロシは議員の子どもたちや孫たちに囲まれていた。今週は共和党が多数派となっている下院のパパ・ママ議員たちが議長選出で争い続けたため、議員の子どもらは脇に追いやられてしまった。

新議会の初日に議員の家族が議場にいるのはよくあることだ。議長選3日目の5日夜に共和党のケビン・マッカーシーが11回目の議長選に敗れて膠着状態が続くなか、議員とその子どもたちは不満と疲労の色を浮かべ始めていた。

子どもを持つ議員にとって、米国での子育ての苦労は議会のホールやオフィスにも波及している。ミシガン州選出の民主党議員ヒラリー・ショルテンは、息子たちとそのいとこたちが彼女の議会事務所を「占拠」し、自分たちで精一杯楽しもうとしていると語った。「子どもたちは今、私の机の上に誰が一番高いカップのタワーを作れるか競争しているはず」とショルテンは話した。

下院本会議場にはファミリー用の部屋がなく、2011年まで議場には女性用トイレすらなかった。親である議員たちはやらなければならないことを抱えている。テレビやツイッターの映像は、議員たちが長引いている議長選で育児をこなしながらどう対処しているかを示している。

議員やその配偶者のツイートによると、下院の通路の両サイドにある議員控室は投票の合間に家族が集まる臨時スペースになった。

政治専門ケーブルチャンネルのC-SPANは、新議長が決まるまで下院のカメラを管理しているが、カメラを左右に動かして議場内の疲れ果てた子どもたちの様子もとらえた。

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翻訳=溝口慈子

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