不幸なキャリアにはまってしまう原因は? 4つの誤解

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筆者は先日、ローレンから次のようなコメントをもらった。

「自分の存在に関わる問題ですが、他部門と連携を取らない政治化した会社組織で、今のようなスピードや激しさでこれからも働いていけるか確信が持てません」

景気後退の見込みがメディアで中心的に扱われる中、これからどれほどの期間ついていけるかと考えている人もいるだろう。ローレンがこの質問をすると、自分もなんとか耐えている状態で、辞めるかどうか思案中だと述べた出席者が数人いた。

ただ、続けるかやめるかの決断よりもさらに差し迫った問題がある。不満を持っているキャリアを諦められない理由は、本稿で紹介する4つの誤った考えが原因かもしれない。

1. キャリア向上のためには仕事を辞める必要がある


ローレンと他の多くの出席者が、早まってすぐさま出した結論がこれだった。しかしこの考えは、具体的な問題を明確にする代わり、必要以上に破壊的で包括的な解決策へと議論を移してしまった。たとえ辞めることに決めても、今の仕事を辞めるはるか前から状況改善のためできることはある。

今の会社で交渉すること。大企業の場合、横滑りや他の部署への異動を模索できる。仕事をこなしつつ、特にパーソナルブランドの向上や人脈を培うため格別に努力すること。キャリアの探索がさらに進むまでは辞める選択肢を排除しておこう。

2. ひたすら我慢しなければならない


すぐに辞めると決めることとは真逆だが同じくらい危険なのは、絶対辞めるべきではないという思い込みだ。市場や会社、仕事は変化するもので、保証されているものは何もない。仕事を辞めることは現実的な可能性としてあるが、それを前提としないこと。

昇給や昇進、その他の状況改善を求めて交渉し、上司の合意を口頭では取り付けたものの、具体的な進展がなかったとしよう。その場合我慢強く待ってもよいが、その信頼は誤りかもしれない。

たとえ上司が意図的にあなたを欺こうと思っていなくても、上司には約束を果たすだけの権威がないかもしれない。どれくらい待てるかの期限を設け、それが過ぎたら就職活動にさらに力を入れること。

最初に与えられる内定を承諾して辞める必要はないが、現在の雇用主にニーズを満たしてもらえなくなったらすぐに代替案に取り掛かること。
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翻訳・編集=出田静

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