大谷翔平のWBC宮崎キャンプ、参加未定の「意外な理由」

ジム・スモール氏の回答は意外なものであった。

大谷のキャンプ参加の可否は、MLBがWBCの参加選手のために掛ける「保険」を購入できるか否かによって決定されるとのことだった。

つまり、万一WBC参加中の何らかの事故や怪我で選手のMLBでの活躍が阻害されるようなことがあった場合に、その損害のリスクを保険会社が負うという状態になっていなければ、MLB、選手会、球団もキャンプへの参加を認められないと言うのだ。

MLB国際事業統括上席副社長のジム・スモール氏(Photo by Eric Espada/Getty Images)

MLB国際事業統括上席副社長のジム・スモール氏(Photo by Eric Espada/Getty Images)


WBC本戦と3月6〜7日に大阪などで行われる強化試合の主催は、MLB機構とMLB選手会が設立したWORLD BASEBALL CLASSIC INC.と読売新聞社で、2月25〜26日の宮崎、3月3〜4日の名古屋での侍ジャパンの壮行試合はNPB(日本野球機構)主催で行われ、開催の様々なリスクに対する保険への加入は契約条件となっているはずである。

ただし、前述のとおり、選手を参加させることは球団のみならずMLBにとって大きなリスクであることから、MLB所属の選手の保険については、チームオーナーの意向を反映するMLB機構とMLB選手会との合意に基づき、MLBの範疇(負担)となっている。

その審査に時間がかかるため、本人が参加を望んだとしても、現時点でのコミットメントは出せないという事情が判明した。

大谷翔平選手(Photo by Thearon W. Henderson/Getty Images)

大谷翔平選手(Photo by Thearon W. Henderson/Getty Images)


宮崎では、大谷選手の参加を待ち望むフィーバーがすでに沸き起こっている。

あとは米国の保険会社が妥当な金額で、MLBと保険契約を結べるか否かに全てがかかっている。

連載:スポーツ・エンタメビジネス「ドクターK」の視点

文=北谷賢司 編集=宇藤智子

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