車内・車外のインターフェースにも大胆なアイデア
フロントパネルの特徴は独自のデジタルディスプレイ「Media Bar(メディアバー)」だ。カラー表示の高精細なディスプレイには、専用のモバイルアプリから選んださまざまなコンテンツを表示できる。その内容はAFEELAのエンブレムからユーザーの好きなキャラクターの画像までカスタマイズが自由にできる。充電中にはバッテリー残量も表示する。
モバイルアプリにより表示を自由にカスタマイズできる「Media Bar」のイメージ
車体に搭載する多数のセンサーを使って、ドライバーがクルマに近付くと自動でドアが開閉したり、ドライバーを識別してシートやステアリングの位置、音響システムのサウンドを自動調整するパーソナライゼーション機能の搭載も予定されているという。
さらにAFEELAのデジタルコックピットのデザインと開発には、大手ゲームスタジオの米Epic Gamesも協業パートナーに加わることが発表された。
Epic Gamesの代表作であるゲーム「フォートナイト」も採用する「Unreal Engine」は優れたデジタル画像処理精度を誇るゲームエンジンだ。AFEELAが搭載するカメラやセンサーの情報に、デジタルオブジェクトの情報を自然に重ね合わせながら、リアルとバーチャルの垣根を取り払った新しい車載ユーザーインターフェースの実現を目指す。Epic Gamesとソニーは、これまで20年以上も長くゲームコンテンツや映画、TV番組やライブエンターテインメントの制作に関わるパートナー関係を築いてきた間柄だ。次世代モビリティによる移動体験が両者のコラボレーションにより革新されることを期待したい。
ソフトウェアによるインテリジェンスが進化を続ける
プレスカンファレンスの中でソニー・ホンダモビリティの水野氏は、AFEELAがソフトウェアアップデートにより「進化を続けるモビリティ」であることも強調している。ソニーの吉田氏もまた、ソフトウェアによってその価値が定義されるスマートフォンに代表されるデジタルプロダクトを、ソニーが長年に渡って手がけてきた実績を壇上で紹介。同じくペットロボットの「aibo」ではAIによる学習までも継続的に進化させ、ユーザーに最先端の快適な使い心地を提供してきたことについても触れながら、それぞれ経験知がソニー・ホンダモビリティのクルマにも活かせると述べた。
移動手段として安全・安心の価値を丁寧に突き詰めながら、最先端のコネクティビティやマシンインテリジェンスの取り込んだ本格的なスマートモビリティの誕生が今からとても楽しみだ。
連載:デジタル・トレンド・ハンズオン
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