経済・社会

2023.01.07 09:00

米で大麻菓子「エディブル」の子供の摂取が急増、5年で14倍に

Getty Images

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米国では、「エディブル」と呼ばれる大麻のハイになる成分入りのキャンディーやグミなどの菓子類が普及しているが、先日、学術ジャーナルのPediatricsに掲載されたレポートで、これらの製品を誤って摂取した子供の数が5年間で14倍に跳ね上がったことが示された。

全米毒物データシステム(NPDS)のデータによると、2021年にエディブルを摂取した6歳未満の子供に関する通報件数は3054件以上で、2017年の207件から1375%の増加になっていた。

また、2017年から2021年の間の子供によるエディブルの接種が7000件以上確認されている。この中に死亡例は確認されていないが、約4分の1の子どもが入院し、症例の半数以上が2歳児と3歳児だった。

研究者によると、パンデミック時には、それ以前と比べてエディブルの摂取の通報と入院の両方が急増しており、背景には大麻の合法化が進んでいることと、子どもたちが家で過ごす時間が増え、エディブルを一般的なおやつと誤認するケースが増えたことが挙げられるという。

研究者らは、今回の調査結果から、エディブルに含まれる主な精神活性成分であるTHCの量を厳しく規制し、子供らにアピールしにくい外見にする必要があると述べている。現時点では、エディブルのパッケージや製品自体のデザインは規制されておらず、子供たちに人気のあるスナックに酷似したものが多いのが現実だ。

子供がエディブルを摂取した場合の影響は予測不可能で、呼吸困難や眠気、めまい、歩行困難などを引き起こす場合がある。また、THCの効果を実感するまでには時間がかかるため、予想以上に摂取してしまう可能性がある。

研究者によると、報告された事例のうちの90%以上の子供たちが、家庭内でエディブルを発見して摂取しており摂取の98%が家の中で行われていた。

米国では昨年、ミズーリ州とメリーランド州が娯楽用大麻を合法化し、合計21の州で娯楽用大麻が合法化されている。また、ワシントンD.C.とグアムでも解禁に向けた動きが進んでいる。しかし、連邦レベルでは大麻は依然として違法とされている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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