以前、私はオーストラリアの絶滅危惧にある小鳥たちの歌うラブソングのアルバムを紹介し、大切な人への贈り物として買ってもらうことで、同時にこの鳥たちを保護する活動の資金援助になることを願った。そのアルバムは、この種のアルバムとして初めてARIAチャートに掲載された。ARIAチャートはオーストラリア・レコード産業協会(ARIA)が毎週発表する音楽売上チャートで、1988年以来オーストラリアのさまざまなジャンルで売上が上位だった楽曲とアルバムをレポートしている。
「この鳥たちはデビューして第5位にランク入りし、その後デビュー時を上回る売上記録を残しました」とチャールズ・ダーウィン大学の博士号取得候補生でアルバムのプロデューサーを務めたアンソニー・アルブレヒトはいう。
鳥のさえずりを集めたそのアルバムは、最高ランク第2位にまで上昇した。
そして現在、新たな野生動物サウンドのコレクションが販売されている。今回は、オーストラリアの絶滅危惧カエルたちによるラブソングと鳴き声のコレクションだ。「Songs of Disappearance: Frogs(消失の歌:カエルたち)」と題されたこのアルバムには、オーストラリアで最も絶滅の危機にさらされている43のカエル種の歌と鳴き声が録音され、中には1970年代にまで遡る録音もある。
デビューと同時にARIAチャート第3位にランク入りしたこの新アルバムには、さまざまなカエルの鳴き声がフィーチャーされ「リンリンと鳴るベル」や「大きなキスをするために口をすぼめる誰か」、そしてはるか昔に絶滅したカエルたちの「深い悲しみに沈むゲロゲロ声」といったサウンドが収録されているとアルブレヒトはいう。
タイトル曲は科学者や野生動物録音家、市民科学者などが収集したカエルたちの歌と鳴き声の驚くべき多様性を祝福し、絶滅の瀬戸際にいるカエルたちの驚くべき生物多様性を改めて世に知らしめる役割を果たしている。
オーストラリアに住んでいる人や訪ねた人は、運が良ければ、クイーンズランドの渓流やキンバリーの洞窟、オーストラリア都心部に残された最後の湿地帯など、同国のさまざまな場所でそれらのカエルたちが鳴く声を聞けるかもしれない。