ニューヨーク州金融サービス局の4日の発表によると、コインベースは自社のコンプライアンスプログラムに「重大な欠陥」があり、銀行法や州の規制に違反したことを認め、罰金5000万ドル(約66億円)を支払うことに応じた。さらに、コンプライアンス強化に向けて、州当局の承認を受けた計画に基づき今後2年間で50万ドルを投資することでも合意した。
金融サービス局はコインベースのコンプライアンスシステムについて「事業の急激に成長に追いつくことができていなかった」と指摘。その結果、大量の取引監視アラートが精査されないまま残され、プラットホームを犯罪者らに悪用されるリスクにさらしていたと述べている。
同局によると、コインベースはユーザーがチェックボックスにチェックを入れるだけでサインアップできるようにしていて、適切なデューデリジェンスを行っていなかった。顧客情報の確認は「必要最低限」で、ひと目ででたらめとわかるような情報も見過ごされていたという。
コインベースのポール・グレワル最高法務責任者(CLO)は声明で、これらの欠点に対処するため、コンプライアンス面での規制当局との協力を含め「実効性のある対策」を講じたと説明している。
コインベースは直近の四半期決算で5億4500万ドル(約720億円)の赤字を計上している。
昨年11月に仮想通貨交換業大手のFTXが突然破綻して以来、仮想通貨業界は不透明感に包まれている。仮想通貨の相場は2021年11月に記録した史上最高値から約75%下落。政策立案者からは仮想通貨の規制強化を求める声がいちだんと強まっている。
ニューヨーク州当局は昨年8月、やはりコンプライアンスに「重大な欠陥」があったとして、投資アプリを運営するロビンフッドの仮想通貨部門に罰金3000万ドル(約40億円)の支払いを命じている。
(forbes.com 原文)