NYで発見のオミクロン派生XBB.1.5、1週間で優勢に 抗体薬効かない可能性

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経口抗ウイルス薬の「パクスロビド」や、点滴で投与する抗ウイルス薬「レムデシビル」は、早期に使用すればXBB.1.5にも一定の効果があるようだ。だが、新たなモノクローナル抗体薬が開発されるまで、明確に「治療法がある」とは言えないだろう。

では、XBB.1.5の感染拡大が続くなかで、私たちが安全に過ごすためには、どうすればよいのだろうか──? 答えは、これまでと変わらない。高品質のマスクを着用し、換気や空気のろ過を行い、必要な検査を受け、ワクチン接種を受けること。これまでと同じように、複数の予防策を同時に講じることだ。

昨年12月21日付で医学雑誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに発表された研究結果によると、新型コロナウイルスの2価ワクチンはファイザー製、モデルナ製ともに、それ以前に使用されていたワクチンよりも、XBB.1.5への感染に対して高い防御力を持つと考えられるという。2価ワクチンの接種を検討することも、対策のひとつだ。

流行を長引かせる「気の緩み」


感染予防策に対する「気の緩み」が目立つ状態となるなか、つい忘れてしまいがちではあるが、新型コロナウイルスは依然として、深刻な脅威だ。ウイルスは増殖を続け、変異し続け、感染を拡大し続ける。新たな派生型の出現を追跡し続けるのは、難しいことだと言える。

米シンクタンクのニューイングランド・コンプレックス・システムズ研究所で新型コロナウイルス・リスク対策タスクフォースの主任を務める疫学者のエリック・ファイグルディン博士は次のようにツイートし、なぜCDCはより早期にXBB.1.5の感染拡大について警告しなかったのか、疑問を投げかけている。

「政治家たち、テレビやラジオ、ポッドキャストの番組の司会者たちは、パンデミックは終わったと主張することもできる。だがそれは、こうした新たな派生型にさらなる感染拡大の機会を提供するだけだ」

forbes.com 原文

編集=木内涼子

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