今回の調達ラウンドは、マスクによる440億ドルのツイッターの買収にも投資を行ったベンチャーキャピタル、アンドリーセン・ホロウィッツの主導によるものと見られている。今回の1370億ドルという評価額は、スペースXが2022年5月に約17億ドルを調達した際の1270億ドルから100億ドルの増加になる。
今回の資金調達は、スペースXが再利用可能ロケット「ファルコン」の打ち上げを61回実施し、衛星インターネットサービス「スターリンク」の加入者数の100万人到達を達成した多忙な2022年を経た後に行われた。
ロイターは昨年11月、スペースXが1500億ドルの評価額で資金調達交渉を進めていると報じていた。その1カ月後、ブルームバーグは、同社がやや低い1400億ドルの評価額に落ち着いたと報じた。
フォーブスは、マスクの現在の保有資産が1465億ドルで、2021年11月のピーク時の3200億ドルから55%近く減少したと試算している。この背景には、過去1年間のテスラの株価の低迷がある。マスクは12月に世界一の富豪のポジションをLVMHのベルナール・アルノーに奪わていた。
マスクは昨年から、いくつかの論争を引き起こしたが、その多くは10月末に実施したツイッターの買収に起因するものだった。彼はツイッターを自由な言論の場所にすると主張し、物議を醸したアカウントを復活させ、ポリシーや規則を恣意的に変更した。
テスラの投資家は、同社の株価の下落の背景にマスクがツイッターの経営に気をとられたことを挙げている。マスクのツイッターとの関わりは、スペースXの経営にも懸念を与え、NASAのビル・ネルソン長官はスペースXのグウィン・ショットウェルCOOに、マスクの集中力の欠如について質問したが、彼は「心配することは何もない」と回答した。マスクは先月、後任者を見つけ次第、ツイッターのCEOを辞任すると述べていた。
(forbes.com 原文)