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2023.01.04 12:00

Apple Watchのセンサーに「人種的バイアス」、米で集団訴訟

Getty Images

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アップルのApple Watchの血中酸素濃度測定アプリのセンサーが、肌の色が濃いユーザーに対して人種的なバイアスを含んでいると主張する集団訴訟が、ニューヨーク州の連邦地方裁判所で起こされた。

Apple Watchには、ユーザーの皮膚に光を当てて血中酸素濃度を測定する医療用のパルスオキシメーターとほぼ同等の機能を持つとされる「血中酸素ウェルネス」というアプリが搭載されている。このアプリのセンサーはユーザーの皮膚に反射した色を検知して、血液中の酸素の割合を推定する。

12月24日に起こされた集団訴訟によると、このアプリは、肌の色が濃いユーザーが用いた場合に精度が著しく低くなるという。その結果、黒人のユーザーは白人と比べてより高いリスクにさらされていると原告らは主張している。

パルスオキシメーターが肌の色の影響を受けることは、以前にも指摘されていた。ハーバード大学の研究者らは7月に発表した論文で、パルスオキシメーターを用いて検出したデータが、黒人やヒスパニック、アジア系の患者と白人の患者との間で大きな食い違いがあると指摘していた。

ブリガム&ウィメンズ大学医学部のHMSクリニカルフェローのエリック・ゴットリーブ(Eric Gottlieb)は「こうした測定値の人種間の違いは、非常に重要だ」とコメントしていた。

しかし、今回のアップルに対する訴訟は、さらに踏み込んだ内容となっている。Apple Watchの血中酸素濃度測定のセンサーは、指先で測定を行うパルスオキシメーターとは異なり、手首を通して計測を行う仕様となっている。原告らは、この仕様が原因でデータが不正確になり、測定値の90%以上が使えないと主張している。

この訴訟は、Alex Moralesというニューヨーク在住の人物がApple Watch購入者を代表して起こしたものだ。彼らは、血中酸素濃度の劇的な低下を引き起こす新型コロナウイルスのパンデミックが、この問題の重要性を高め、「構造的な人種差別に対する認識の高まり」に収斂されたと述べている。

Apple Watchの機能が、肌の色の影響を受けるという非難を浴びるのは、これが初めてではない。2015年にも、同様な指摘が相次いだ結果、アップルは、「タトゥーのような、半永久的あるいは一時的な皮膚の変化が心拍センサーの性能に影響を及ぼす可能性がある。インクや図柄、彩度がセンサーの光を遮断し、信頼性の高いデータの読み取りを困難にする場合がある」と述べていた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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