子育てをまちに開き、社会を拓く。 代々木公園の「こども園」探訪


──お話しを聞いていると、子育てが家庭から園、まち、カフェ、企業や自治体、国内外の研究機関へ……どんどん社会に開かれていて、視界が拓いていきます。都会の核家族で幼い子育てをしている身からすると、桃源郷のようです。

また理想ばかり語って、と思われてしまうかもしれませんが(笑)、もちろん僕らもまだまだ理想の社会へと進んでいる途中です。共感してくださる人たちと一緒に取り組んでいきたい。自分たちにできることを積み重ねて、子どもの学びの環境と地域づくりをわけずに考え、社会を拓いていく。これからも大きな挑戦をローカルから地道にやっていきます。

大人も子どもも、コミュニティの中で学び、創造の芽を育んでいく。一人ではできないし、一朝一夕にできることではないけれど、実践者として進むまちの保育園・こども園は、その道を明るい方へと照らしてくれます。まちのイベントに子連れで参加してみる。まちの人と言葉を交わしてみる。いち個人として、小さなことから始めて、頼り頼られる“共助”関係を身近なところから広げていきたい。そんな野心と希望が心に灯りました。


松本 理寿輝さん◎まちの保育園・こども園ナチュラルスマイルジャパン代表。1980年東京都生まれ。一橋大学商学部商学科卒業後、2003年博報堂に入社。3年後に退職し、仲間と不動産ベンチャーを立ち上げる。その後、学生時代から温めていた保育の構想の実現のため、2010年ナチュラルスマイルジャパンを設立。2011年東京都認証保育所(のちに認可)「まちの保育園 小竹向原」を開園。現在は、六本木・吉祥寺・代々木上原・代々木公園で認可保育所と認定こども園を運営している。著書に『まちの保育園を知っていますか』(小学館)、監修に『保育の質を高めるドキュメンテーション: 園の物語りの探究』(中央法規出版)などがある。


※この記事は、2022年11月にリリースされた「柿の木便り」からの転載です。

文=徳 瑠里香 撮影=飯塚 朋美

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