しかし、英国ノッティンガムに本社を置く小売チェーン、ゲームズワークショップ(Games Workshop)では、昔から典型的とは言い難いことが続いている。同社は今回、同社のヒット作「ウォーハンマー」を題材にしたシリーズを制作することで、アマゾンと合意した。しかも、かつてスーパーマンを演じたヘンリー・カヴィルが起用されるようだ。
時価総額33億ドルのゲームズワークショップの株価は、12月16日に急騰した。自社のSFファンタジー・ミニチュア・ウォーゲームに関して、アマゾンと合意に達したことを明らかにしたのがきっかけだ。この契約に伴い、自社の知的財産(IP)を映画化・テレビ化するとともに、商品も販売するという。
ゲームズワークショップによれば、まずは「ウォーハンマー40000」が映画化・テレビ化されるという。ウォーハンマー40000は、2010年にもコンピューターアニメーション映画になっている。
ゲームズワークショップとは
ゲームズワークショップの始まりは、ロンドン西部の小さなアパート。ジョン・ピーク(John Peake)、イアン・リビングストン(Ian Livingstone)、スティーブ・ジャクソン(Steve Jackson)という友人同士の3人が木製ボードゲームの制作を始め、ゲーム専門ニュースレター「ホワイト・ドワーフ」を創刊した。ビジネスが軌道に乗ったのは、米国のファンタジー・テーブルトークRPG「ダンジョンズ&ドラゴンズ」の作者から、英国での販売代理店になってほしいと依頼されたときだ。
1978年には、ロンドンのハマースミスに最初の店舗をオープンし、1983年には、ミニチュア・ウォーゲームの模型制作を開始。オークとエルフが戦うウォーハンマーを生み出した。
ウォーハンマーは、書籍、ビデオゲーム、雑誌、アニメーションになる世界的なブランドへと成長した。そしてゲームズワークショップは、全世界に約530店舗を展開し、最も高価なミニチュアゲーム用プラスチック模型が120ドル以上で売れるまでになった。
現在のCEOは、目立つことが嫌いな元会計士のケビン・ローンツリー(Kevin Rountree)だ。有名人のファンたちも獲得している。シンガーソングライターのエド・シーラン、映画『ワイルド・スピード』でおなじみの俳優ヴィン・ディーゼル、そして、冒頭で紹介した、アマゾンで起用されると見られるヘンリー・カヴィルなどだ。カヴィルはかつて、ゲームズワークショップの小さなフィギュアをコカイン(クラック)に喩え、自身の収集癖を「プラスチック・クラック」と表現していた。