世界的なファンタジー需要
実際、市場の規模は大きい。消費者データ企業スタティスタによれば、テーブルゲームの世界市場は、2017年には72億ドル規模だったが、2023年には120億ドル規模に達する見込みだ。
しかし、アマゾンとの契約が大きな話題になっているにもかかわらず、ゲームズワークショップは慎重な姿勢を崩していない。2023年5月末までの会計年度の業績予想は、上方修正されていないのだ。
「重要な取引条件については合意に達しているが、このプロジェクトは契約の締結を条件としており、現在、その作業を進めているところだ」とゲームズワークショップは述べている。
それでも、投資家はひるまなかった。アマゾンとの関係構築への期待が後押しとなり、ゲームズワークショップの株価は16日に15%値を上げた。上昇した株価は、19日の取引でも維持された。
ゲームズワークショップ自身も、右肩上がりの成長を続けている。
7月には、5月29日までの52週間の年次報告書が発表され、売上は4億4490万ドルから5億510万ドルに増加した。中核事業の売上も10%伸び、4億3010万ドルから4億7010万ドルになった。税引き前利益は、1億8380万ドルから1億9050万ドルに増加した。
ゲームズワークショップの業績は、このように安定しており、ローンツリーCEOは次のように述べている。「今年もいつもどおり、素晴らしい一年だった。変わらないものがあることに、改めて大きな安心を感じている。つまり、私たちのスタッフと顧客がウォーハンマーを愛していることに、だ。皆さんのおかげで、今年も大成功を収めることができた」
また、過去12カ月間で1220億ドルの利益がスタッフに分配された。
アマゾンとの契約が締結されれば、ファンタジーゲームの人気が高まるなか、ウォーハンマー、そして、ゲームズワークショップは新たなファンを獲得することになるだろう。
1991年に株式を売却した共同創業者のリビングストンは2021年、次のように振り返っている。「私たちはギークやナード、アノラック(フード付きの防寒用上着のことだが、「ダサいオタク」も意味する)などと呼ばれていた(中略)それが今やクールな存在だ。人は互いの悪口を言いながら、社会的な交流やコミュニケーションを楽しむものだ」
(forbes.com 原文)