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2022.12.30

ノンアルコール飲料の世界市場規模は2022年に約1.5兆円を突破

Getty Images

ここ数年、消費者は禁酒、低アルコール飲料の摂取、ノンアルコール飲料と通常のアルコール飲酒の切り替えなど、より意識的な飲酒を実践している。

2022年、世界の主要10市場において、ノンまたは低アルコール飲料の販売量は7%以上増加し、市場規模は110億ドル(約1兆4600億円)を突破した。IWSRの飲料市場分析によると、これは2018年の80億ドル(約1兆620億円)からの増加となる。

成長のペースは過去4年間を上回り、2018年から2022年のCAGR(年平均成長率)5%に対し、7%で継続すると予想される。

「ノン・低アルコール部門は、ソフトドリンクや水などの飲料カテゴリーから消費者を獲得することにより、売上を増加させる機会があります」と、IWSR飲料市場分析のノン・低アルコール部門責任者スージー・ゴールドスピンクは述べている。「ブランドオーナーは、アルコールを飲まない人を取り込むチャンスがあります」

IWSRは味覚の拡大、製造技術の向上「消費シーンの多様化」がこのカテゴリーの成長を促進しているとしている。

本レポートではオーストラリア、ブラジル、カナダ、フランス、ドイツ、日本、南アフリカ、スペイン、英国、米国の10カ国を調査対象としている。

ノンアルコールカテゴリーがカテゴリー全体の成長の90%以上を占めると予想されている。2022年のノンアルコール製品の成長率は9%だった。

「特定の機会にアルコールを避ける、あるいは完全に控えるという人が増える中、ノンアルコールはノン・低アルコールカテゴリーで着実にシェアを伸ばしています」とゴールドスピンクはいう。

「ほとんどの市場で、ノンアルコールは低アルコールを上回る勢いで伸びています」と彼女は続ける。「日本やブラジルなど、これに当てはまらない国は、低アルコール市場の初期段階でありまだ数量ベースが少ないのです」

現在、世界最大のノン・低アルコール市場であるドイツは最も有望視されている。しかし、市場は苦戦しており、IWSRは、ドイツでは市場の成熟により成長が鈍化し始めると予測している。

IWSRはオーストラリア、カナダ、米国が2026年までに2桁の数量成長を遂げると予想している。

その他、本レポートの大きな収穫としては以下があげられる。

ノンアルコールビール:ノンアルコールカテゴリーの成長に最も貢献しているのは(70%)、ノンアルコールビールとサイダーである。ノンアルコールRTD(レディ・トゥ・ドリンク)の最大市場は米国と日本。「ノンアルコールスピリッツは、ブランドオーナーがイノベーションに投資し、小売店や店で製品がより広く扱われることで、よりダイナミックな成長を遂げるだろう」と報告書は述べている。

より成熟した消費者:ミレニアル世代が、ノンアルコールや低アルコールの消費者の年齢層だ。IWSRは、この年齢層の消費者がアルコールとノンアルコール(または低アルコール)の切り替えを好むことを明らかにしている、つまりノンアルコールまたは低アルコール製品の消費者の78%が通常のアルコールも飲んでいる。禁酒している人は、現在、ノンアルコールおよび低アルコール製品の消費者の18%を占めている。10市場中9市場で禁酒している人が増加している。

forbes.com 原文

翻訳=上西 雄太

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