良好な職場風土の醸成を支援するコンサルティング企業、職場風土づくりが就職経験のある成人190人を対象に、エンゲージメントに関する調査を行いました。それによると、仕事で「やる気をなくした」ことのある人は96.2パーセント。やる気をなくした瞬間にエンゲージメントが下がったという人は85.4パーセントでした。ちなみに職場風土づくりでは、エンゲージメントを「社員一人ひとりが組織に愛着を持ち、企業成長と共にお互いに成長し合うために活動量を増やそうとする絆」と定義しています。
やる気をなくした理由は、「結果に対して正当な評価が得られない」(51パーセント)、「何を期待されているかわからなくなった」(46パーセント)、「仕事を進めるための支援が得られなかった」(44パーセント)がトップ3です。真面目に頑張っている人への職場の対応がダメだったと想像されます。
まあここまでは、日本で仕事をしていれば誰もが肌で感じてわかっていることでしょう。肝心なのは、この調査の最後の質問で判明した大切な事実です。やる気をなくした瞬間を振り返って、どのような制度や体制があればエンゲージメントが高まると思うかと尋ねたところ、もっとも多かった答は、「職場における社員同士の強い関係性」(38パーセント)でした。2位は人事評価制度(24パーセント)、3位は「企業の明確なビジョンや目標」(21パーセント)でした。つまり、明確なビジョンに向かってみんなで協力して頑張りたい、そのためにも、管理者は社員のことをしっかり見てほしい、ということですね。
この調査結果からは、自分の仕事を大切に思い励んでいる真面目な人たちの姿が見えてきます。正当な評価が得られない、支援がないと感じるのは、そんな勤勉さの裏返しです。社員のエンゲージメントを高めて生産性を向上させるための鍵が、人間関係と人事評価と企業のビジョンであるなら、今すぐにでも対処できそうです。