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2023.01.04 08:30

「全自動ネコ用トイレ」でペット業界に革命起こす米国人起業家

Whisker

米国ペット用品協会によると2021年のペット業界の売上は1240億ドル(約17兆円)に達し、米国でネコを飼う世帯は4530万世帯に達している。そんな中、全自動のネコ用トイレ「Litter-Robot」の製造元のウィスカー(Whisker)の年間売上は1億8000万ドルに到達した。

同社が約5年前に発売したネコ用トイレ「Litter-Robot 3」の価格は545ドルだが、機能をアップグレードした最新モデル「Litter-Robot 4」は699ドルで売られている。ハイテク猫用トイレのメーカーは他にもあるが、ミシガン州に本社を置くウィスカーのCEOのジェイコブ・ザプキ(34)は、同社が2005年以来黒字を維持していると語る。

「我々は、伝統的な製造業の会社と同じやり方で、事業を拡大させてきた」と、ザプキは話す。


ウィスカーCEOのジェイコブ・ザプキと創業者のブラッド・バクスター(Whisker)

元マーケッターのザプキは2022年に同社の創業者で会長のブラッド・バクスターからCEOの仕事を引き継いだ。創業者のバクスターは、ウィスカーの株式の43%を保有し、ザプキが7%、残りの50%を投資会社のポンデラホールディングス(Pondera Holdings)を中心とした投資家が保有している。

ウィスカーの創業のきっかけは、現在56歳のバクスターが、1999年に貰い受けたネコの世話に苦労したことから始まった。「フンをスコップで掃除するのを忘れていると、ネコたちは私に抗議した」と彼は回想する。以前はフォードの工場に勤務し、その当時は自動車メーカーのコンサルタントを務めていたバクスターは、この問題を自力で解決することにした。

彼は、ペットショップでLitterMaid社の初期の自動トイレを購入したが、固まった砂を押し出す仕組みが気に入らなかった。そこで彼は、フンが混じった砂をふるいにかけて、フンと砂を分離することを思いついた。特許を検索してみると、すでにこのアイデアを思いついた人がいることが分かり、その発明者に連絡を取って最終的にライセンス契約を締結した。

3万5000ドルで起業


そして、父親を説得して3万5000ドルを出資してもらい、最初の製品を世に送り出したのだった。その製品は、猫が中に入って用を足すのに十分な大きさで、センサーが猫が立ち去ったことを感知すると、箱が回転してフンをふるい落とす仕掛けだった。

しかし、多くの起業家のプロジェクトと同様に、彼のビジネスも収益面で苦戦した。「35万ドル以上を投資した5年目くらいから、妻が私の正気を疑うようになった」とバクスターは話す。その当時の製品は、サイズが大きすぎて、顧客の支持を得られなかったという。
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編集・翻訳=上田裕資

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