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2023.01.11 11:00

FinTech・Web3・NFT。オープンイノベーションで未来への成長戦略を仕掛けるソフトバンク

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コアビジネスである通信の枠を超え、先端テクノロジーを生かし、さまざまな分野で新規事業を展開しているソフトバンク株式会社(以下、ソフトバンク)。

2022年11月15日には投資先であるLINE NEXT Inc.(以下、LINE NEXT)が、グローバルNFTプラットフォーム「DOSI」において、NFT(Non-FungibleToken)のユーザー間取引サービスの追加およびイーサリアム決済の対応を開始した。

さらに12月1日にはグループ会社であるSBペイメントサービス株式会社がパートナーのモノバンドル株式会社と連携して、NFTの決済インフラ「Hokusai Payment」もスタート。日本国内のNFTに関連する決済の円滑化、ひいては決済の分野でWeb3の業界をけん引していくことを表明した。

こうした新規事業の創出をミッションに掲げているのが、ソフトバンクの事業開発統括だ。なかでもアライアンス事業戦略本部は、ソフトバンクのFinTechやWeb3サービスの戦略策定を担うだけでなく、既存事業とのシナジー効果が見込める先への投資や協業企画、事業推進を行っている。

アライアンス戦略企画部で部長を務める美島 究(以下、美島)と戦略企画課 課長の渕上 二沙子(以下、渕上)が進める事業創出の取り組みから、ソフトバンクが創造するイノベーションを紐解いていく。

アライアンス戦略企画部が担う役割とは


美島はフィンテックの戦略企画や、ソフトバンクグループが出資する企業などが日本で事業を展開する際のローカライゼーションのサポートなどを手がける。最近は北米やアジアの企業からの協業を打診された際、どのようなパートナーシップがあり得るのかの検討、そして新規事業に対しての出資及び戦略立案など、いわば海外企業とのアライアンスが大きな軸となっている。

「ソフトバンク内のボトムアップで企画するパターンもありますが、外部の企業からお話をいただいてアライアンスを進めるケースも多くあります。オープンイノベーションで新しい事業を作り出すことを目的に、優れたテクノロジーやビジネスモデルを有する企業と投資を通じたアライアンスを推進しています」(美島)

一方の渕上は、NFTプラットフォーム「DOSI」を提供するLINE NEXTやコンソーシアム型のブロックチェーン技術を開発するスタートアップ企業・TBCASoftへの出資、事業企画・推進などを担当している。

ソフトバンクがTBCASoftと提携を開始したのは2017年。現在TBCASoftは、ユーザーが自国のモバイルアプリを利用して海外でもQR決済が行えるようになるクロスキャリア決済ブロックチェーンネットワークを開発しており、このネットワークをアジア全域に拡大していくことを目指している。

「アジア圏ではQR決済は広く普及しています。ゆくゆくは自国の決済アプリを、世界中どこでも使えるようなグローバル規模の決済ネットワークを作っていきたいと思っています」(渕上)

二人は自分たちの仕事を「未来への種まき」だと話す。海外のビジネスの場合、日本での市場があるのか、規制面などで問題がないかなどを調査し、日本での展開が可能となれば事業検討に入っていく。

「リサーチをしている企業は国内外約400社になります。ただし実際にプロジェクト化し、テーブルについて話す段階に進むのはその中でもごくわずか数社というのが現状です」(渕上)

通信事業者としての信頼および顧客基盤はもちろんのこと、グループ会社としてPayPayのような日本を代表するフィンテック企業、LINE、さらにヤフーがあり、多彩なビジネスを持っているからこそ、ソフトバンクと組めば何かできるのではと思わせる魅力が、交渉において役立っているという。

投資や業務提携を通じてオープンイノベーションで新しい事業を立ち上げていく。その中でフィンテック領域を軸に未来を作り出しているのがアライアンス事業戦略本部なのだ。

失敗というものはない、打席に立ち続ける


ソフトバンクの求人・採用情報を掲載していますソフトバンク株式会社 事業開発統括 アライアンス事業戦略本部 アライアンス戦略企画部 部長 美島 究

新たな事業計画やビジネスのアイデアを得ることができるのが、この仕事の魅力の一つだと美島は語る。

「例えばWeb3のような領域への挑戦は大企業になればなるほど難しい面がある。しかしボトムアップでアイデアをあげて未来の領域に投資ができるのがソフトバンクです。ソフトバンクでは『失敗という概念はない』『恐れずに打席に立つ』という価値観を共有しています。だからこそ我々は400社以上の企業をリサーチし、常に新しい挑戦を続けています」(美島)

また、前職で金融当局にて企画・調査・監督業務に従事していた渕上は、ソフトバンクの魅力をこう語る。

「自分のバックグラウンドとは異なることでも、さまざまな領域でチャレンジすることができます。金融出身だから金融だけやればいいということはなく、これをやりたいと自ら手を挙げればあらゆるジャンルの事業開発に携わることができます」(渕上)

常に挑戦を続け、経験値を増やしていくことで知見が深まる。その結果が次の仕事へと繋がり、より良い企画が生まれる。企業との合併・統合を重ねながら新たな事業を生み出してきたソフトバンクだからこそ、大企業の安定感とベンチャーのスピード感を強みに、前進し続けていけるのだろう。

デジタル化、そして多様性のある社風


渕上は、ソフトバンクは「日本で一番働きやすい会社」だと思っていると語る。基本的にスーパープレックスの在宅勤務で、SlackやZoomなどでコミュニケーションを図る。また、チームビルディングや外部企業と対面会議を行う場合は最先端の技術を活用した本社や都内各所にあるサテライトオフィスを活用することも可能だ。さらにペーパーレスを推進しており、業務効率化が進んでいる。

「以前の職場では週5日出社で会議の度に会議室を予約し、資料を印刷、印刷ミスがないか確認、といった下準備に時間を割く必要がありましたが、ソフトバンクではそうした無駄な時間が全くありません。また、以前は固定電話で同僚にかかってきた電話の対応をしなければならないことも多かったのですが、ソフトバンクでは一人ひとりにスマホが支給されているので、直接相手とやりとりし、それぞれスピーディーに仕事を進めていけることも驚きでした」(渕上)


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さらに、多様性を受け入れる風土もある。社員の国籍も様々で、2021年より女性活躍推進を目的とした事業開発統括内の独自プロジェクト「ショコラ※」もスタートした。

「『ショコラ』は、誰もが働きやすい環境を実現するために、まず女性が活躍できる会社にしていこうという取り組みの一つです。一緒に働く仲間の性別や社歴、国籍などを問わず、イキイキと仕事ができる環境を作っていくことを目的に、様々な風土作りをしています」(渕上)

実は渕上は、妊娠中にソフトバンクに入社したことから、ソフトバンクの多様性に衝撃を受けたという。一般的に、入社直後に産休に入るであろう志望者を敬遠する企業も多くある中、妊娠中にも関わらずジョインできた実体験こそが、ソフトバンクの多様性、そして働きやすい環境を体現しているといえるだろう。

※事業開発統括独自の『ショコラ(Choose Compatible Ladies’ true happy) 』制度。誰もが「働きやすい」「相談しやすい」「相互理解しやすい」カルチャーを目指し、様々な取り組みを実施している

第二のPayPayのような社会インフラの創出へ


美島はアライアンス戦略企画部に異動する前は営業職に就いていた。当時は金融や情報技術に精通しているわけではなかったが、4年経ち、今では社内でミスターフィンテックと呼ばれるまでに。どのような人材が同部署の仕事に向いているのかを尋ねると、美島は「広い視野を持った人材」だと語る。

「ソフトバンクは成長戦略に『Beyond Carrier』を掲げており、新しいものに挑戦したい、国や企業組織に縛られず、広い視野を持って働きたいというような人材であれば力を発揮することができると思います。そのなかで、フィンテックやファイナンスのスペシャリティがあればなお良いですし、Web3に興味があるなど我々の業務との関連性も結び付けられる方が一緒に働いてくれるといいと思います」(美島)

そして渕上は、意欲的に取り組めばチャレンジの幅も広がると話す。

「金融や投資の経験、またはテクノロジー、ブロックチェーン技術など、何かしらの専門性を持っている方だと活躍しやすいと思います。ソフトバンクでは意欲さえあればいろんなことにチャレンジさせてもらえるため、専門性を足がかりに、他分野での経験も積み、それが力となり、さらに飛躍できると思います。事業開発と一口にいっても実際にサービスをローンチするまでにはあらゆる知識や経験が必要ですが、多様な人材が集まっているので皆で補いあいながら進めており、チームワークを大切にしています」(渕上)

今後の展望を聞くと、美島はソフトバンクグループがPayPayを立ち上げた時のような、インパクトのある新しい事業創出を目指していきたいと語った。

「近年ではWeb3が大きく取り上げられていますが、我々はNFTやTBCASoftのブロックチェーン技術を活用するなど、新しい領域で第二のPayPayのようなものを作っていきたいと思っています。ソフトバンクの経営理念『情報革命で人々を幸せに』を信念に、より人々の生活が豊かになるような社会に貢献できるインフラやプラットフォームになりうるビジネスを手がけていきたいと考えています」(美島)

多様な人材がそれぞれの得意分野を活かし、未来に向けて種を蒔いているアライアンス事業戦略本部のメンバーたち。5年後、10年後には彼らが蒔いた種が地に根付き、枝葉を広げ、人々が豊かに過ごすための新しいサービスを作り出していく。その未来が今から待ち遠しい。

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