ビジネス

2023.01.01

世界初のクラフトコーラをつくった伊良コーラが、「缶」に挑戦する理由

伊良コーラ創業者の“コーラ小林”こと小林隆英


開発は2022年春にスタート。半年以上かけて開発した缶コーラを、12月上旬に初めてテスト製造した。これで完成のつもりだったが、一筋縄ではいかなかった。製造後すぐに飲むと問題はなかったが、1日経って飲んでみるとトップ、ミドル、ラストのバランスが予想したものと異なっているように感じた。

「殺菌の工程での熱処理や、スパイスの沈澱具合などが原因だと思います。味は普通に美味しいですが、良くも悪くも予想通りのバランスではありませんでした」

春のコンビニ発売まで、残された時間は少ない。そんな中で小林は今、缶コーラ用のシロップの製造方法をブラッシュアップしている。

銭湯やサウナでももっと手軽に


缶製品は、250円程度と手軽な販売価格で検討中。最初は限定生産でナチュラルローソンでの先行販売、その後一般販売を経て、1年をかけて生産量を上げていく。ゆくゆくは全国のコンビニエンスストアや自動販売機で流通させる計画だ。

そのために12月12日には、缶コーラの開発やその製造環境整備も見据えた工房のアップデートを目指すクラウドファンディングもスタートした。

「缶コーラが完成すれば、日常の様々なシーンで飲んでもらえるようになります。例えば今、瓶製品が銭湯やサウナで人気なのですが、これからはもっと手軽に“サウナ後の一杯”を楽しんでいただけると思います」


店頭で販売している「伊良コーラ」

伊良コーラ本店前に流れる神田川沿いの小道は、「コーラ小道」と名付けられている。その桜並木が満開になる頃、伊良コーラにも「缶コーラ」という新しい花が咲く。

文=尾田健太郎 取材・編集=田中友梨 撮影=yOU

ForbesBrandVoice

人気記事