コーチとセラピストの5つの違い

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コーチングは現在、特に求められている従業員福利厚生の一つで「企業セラピー」とも呼ばれている。しかし、コーチングと心理学者による診察の違いは何だろう?

コーチとセラピストは両者とも、強み・弱みの特定や障壁の克服を支援してくれる。どちらを利用すべきかは、問題と達成したいことによって決まる。

コーチングとセラピーは同じではないが互換性があり、補完性さえあるかもしれない。それでも、キャリアのその時点でどちらが必要かを理解するにはその違いを理解する必要がある。違いは主に次の5つだ。

1. 過去と未来

コーチはあなたの現在を見て、あなたが求める未来を築く支援をする。一方セラピストはあなたの過去を見て、現在を管理する支援をする。過去について話してばかりの顧客はセラピストの癒やしと支援が必要かもしれない。

2. 診断と共同創作

セラピストは障害を診断し心の傷に対処するが、コーチングではコーチとコーチングを受ける人が協力して解決策を導き出す。コーチは顧客に対し何をすべきか指示せず、顧客の強みやリソースを最大化するための質問を投げ掛け、思考プロセスを促す。

3. 患者と医師の関係と対等な関係

セラピーは医師と治療が必要な患者という関係だ。一方コーチングでは、顧客とコーチは対等だと考えられ、上下関係や誰の方が知識が多いなどは存在しない。

4. 理解・癒やしと、解決策や行動計画の作成

セラピーは、過去を理解し深い心の傷を癒やすことに焦点を当てている。一方コーチは、コーチングを受ける人が異なる考え方や行動を身に付け前進できるよう、体験からの学びや、解決策や小さなステップを作り出すことに焦点を当てている。

5. 個人的な話題と仕事に関する話題

セラピストやコーチとあらゆる話題を議論できる場合でも、PM(プロダクトマネジャー)やプロジェクトマネジメントの枠組み「スクラム」、効果的な時間管理など技術的な問題はセラピストに相談しにくいと感じる顧客が多い。

また、悲しみのような個人的な話題をコーチに共有することを居心地悪く感じる人もいるかもしれない。
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翻訳・編集=出田静

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