英クリニック・センターの歯科医エブル・チャタル・ホジャオルによると、食べ物に含まれる糖分は口内の細菌に分解され、その際に生じる酸が、歯の表面を保護するエナメル質を溶かしてしまう。甘い菓子を食べ過ぎると口内の悪玉菌が活性化し、酸の量が増える。
以下に、歯科医2人に聞いた、歯を守りながら甘いものを楽しむ方法を紹介する。
1. 甘いものは食後に
ホジャオルによると、甘いものは就寝前や午後のおやつではなく、食事の時のみに限定するとよい。食事中は口内の唾液が増え、食べかすが歯に付着しにくくなる。結果、糖の分解時に細菌が作る酸が中和されるのだという。
2. 水を飲む
甘いものを食べる時は、炭酸飲料やスポーツドリンクのような甘い飲み物ではなく、水を一緒に飲むようホジャオルは提案している。水を飲むことで、歯に付いている糖のかすを洗い流しつつ、口内のpHを最適な状態に維持することができるという。
3. 硬い菓子は控える
米ニューヨークの歯科医ジェイ・コーサンディによると、菓子の中でも特に歯に悪いのが、キャンディーやトフィーなどのベタベタした硬い菓子だ。こうした菓子を食べると、歯のかぶせものが取れることもある。
またホジャオルは「すぐにかむのではなく、なめる必要がある菓子は食べ過ぎてはいけない。口の中に菓子が長い時間残ると、酸の害は大きくなる」と説明した。
コーサンディによると、甘い菓子で歯に最も良いのはダークチョコレートだ。カカオの割合が多く糖分が少ないため、硬くてベタベタした菓子よりも歯磨きにより除去しやすいという。またコーサンディは、無糖のガム、特にキシリトール入りのものをすすめている。
4. 歯磨きの頻度を増やす
歯磨きは起床後と就寝前の1日2回が良いとされるが、ホジャオルによると、甘いものを食べることが多い時期には頻度を増やすべきだという。さらに、デンタルフロスも定期的に使用することで、歯の間の食べかすを除去できる。
5. 食後すぐに歯を磨かない
どんな菓子を食べたとしても、食後すぐに歯は磨かないようにしよう。コーサンディによると、食べた直後にさっと水で口をすすぎ、少なくとも30分待ってから歯を磨くのがベストだ。これによりエナメル質を保護し、甘いものを食べた際に生じた酸で弱まった歯が回復する時間を確保できるという。
6. 定期歯科検診を予約する
ホジャオルは、歯の健康を保つために半年ごとに検診を受けることを勧めている。甘いものの消費が増える時期の後に検診を予約しておけば、歯に生じた問題をすぐに治療することができる。
(forbes.com 原文)