そして最終的には、一人の人格をつくりあげるような気持ちで、ブランドコンセプトを練り上げていった。
商品開発には、そのコンセプトのもと、アナウンサーたちの“声”を反映。例えば1stコレクションの「Royal jersey one piece」は、ランジェリーの肩紐がズレてこないようにスリップ止めを付けたり、飾りのパールボタンを机に腕をついてもぶつからない位置にするなど、細部にまでこだわった。
Royal jersey one piece (Navy)、2万7500円
「日本テレビ」というチームの一員であること
Audireの購買層は幅広い。中でも働く女性や、子どもを持つ女性からの支持が高い。「着たいと思った人が、ターゲットです」と、従来型の年代によるターゲティングはあえて行わず、思考や行動をベースにしたターゲットを設定している。
「社会の中で、何かを頑張る女性に選んでもらえているとすれば、とてもうれしいですね。現代において女性の生き方は多様化しています。仕事に熱中する女性も、家庭を支える女性も、勉学に励む女性もいます。ただ、それぞれが好きなことを素直に選び取ろうとすると、時に周りの声が“ノイズ”に聞こえてしまう事があります。そんなノイズもはねのけるのではなく、時に受け入れる。そういう方たちに寄り添っていけたら」
郡司はこの事業を通じて社内のいろんな人に話を聞き、社内の調整や、事業計画を自ら手掛けたことで「日本テレビというチームの一員だ」という自覚が強くなったという。
今後は、これまで培ってきた取材・発信力を活かして、トークショーや異業種交流会などを行い、コンセプトの通り「心地良いわたしで生きる」人が増えるような世界を広げていきたいと考えている。