「カイゼン」をキャリア形成に応用する5つの方法

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あなたは自分のキャリア形成について、流れに任せて「これで十分」と思える成果に満足しているだろうか? それとも、終わりなき改善を続ける心構えを持っているだろうか?

後者に当たる人は、日本が誇るビジネス哲学である「カイゼン(改善)」の実践者だ。これは、何事にも終わりはなく、完璧はあり得ず、常に改善や改良の余地があるという考え方だ。カイゼンではまた、一貫性も重視される。小さいながらも好ましい変化を続けることで、時間をかけて大きなインパクトを生み出すことができるのだ。

カイゼンは企業が採用することが多く、主な目的は品質管理や「ジャストインタイム」式納入、作業の標準化、機器の効率的使用、無駄の排除にある。さらに、全従業員に対して改善できる余地を見つけ出して実行可能な解決策を生み出すよう積極的に奨励するのも、カイゼンの哲学だ。

一方で、カイゼンの原則は、自分のキャリア形成にも応用できる。以下に、終わりなき改善を続ける心構えで進化を続ける方法を5つ紹介しよう。

1. 目標を明確にする


自分の目指すものが不明確なままでは、いつまでも空回りしてしまう。そうした非効率な働き方は、カイゼンの精神に反するものだ。そうではなく、自分の目標に直結する最も重要な活動を特定して、それに注力しよう。この努力が最終的に大きな進歩につながる。

2. 定期的にフィードバックを求める


批判されることが怖いという理由で、周囲からフィードバックを求めない人もいる。しかしフィードバックは、改善に使えるデータに過ぎない。カイゼンを実践する人は、複数の人から定期的に情報や意見を引き出し、それに基づき反復と適応を行うことの重要性を認識している。目標は完璧さではなく、改善なのだ。

3. 過ちから学ぶ


カイゼンの実践者は、間違いを犯すことがすなわち「失敗」ではないことを心得ている。間違いはむしろ、何がうまくいかなかったのかを理解して解決策に近づくチャンスだ。つまり、失敗は進歩のために必要なものなのだ。さらに、自分のアプローチを常に検証し改良することで、問題解決において先手に回ることができる。

4. 好奇心を持ち深く追求する


カイゼンで重要な点の一つに、先入観を捨てることがある。カイゼンの実践者は、何かを無条件に受け入れるのではなく、好奇心を働かせてより深く追求する。一つの問題について、「なぜ」を少なくとも5回は問い、根本原因を突き止めること。結果、理解が深まり、それまで埋もれていた情報を浮き彫りにして、改善のために利用できる。

5. 一貫して新しいことに挑戦する


改善を得るためには、自己満足に陥らないことが重要だ。カイゼンの実践者は、現状に満足することはなく、自分の成長につながる課題や新たな仕事に取り組んで常に向上しようとする。自分が心地よく感じる場所から抜け出すことで初めて、理解と改善の境地に入れる。そうした環境から意図的に繰り返し足を踏み出すことで、キャリアを通じて常に改善し続ける道を辿れる。

forbes.com 原文

編集=遠藤宗生

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