パフォーマンスレビューを恐れる一つの理由は、評価がしばしば独断的で、一貫性に欠けがちに見えるということだ。そうした評価は「上司がやるべき仕事の一つ」にしか見えず、部下に真の意味でのインサイトやモチベーションを提供するものではない。
世論調査大手ギャラップによれば、「パフォーマンスレビューを受けると、もっと上を目指そうという気持ちになるか」という問いに対して「非常にそう思う」と回答した従業員はわずか14%だった。それどころか、3分の1ほどはパフォーマンスがかえって低下している。
おまけに、レビューに時間が割かれることで、従業員1万人の企業1社あたり、年間で3500万ドル分もの労働時間が失われている。それに加えて、頻度も問題だ。フィードバックが年に1回では、あまりにも少ない。現代の仕事のスピードを思えば、従業員はリアルタイムでのフィードバックが必要だ。
もちろん、評価される側にしてみれば、芳しくないフィードバックを耳にするのはあまり楽しいことではない。痛いところを突かれるのであれば、なおさらだ。また、現在のような経済情勢では、否定的な感情がさらに強く感じられるのは当然だ。だからこそ、自分でコントロールできること(つまり、自分がどう反応するか)に集中することが重要だ。
そこで、レビューで否定的な評価を受けたときにどう対処すべきか、5つのステップにわけて紹介しよう。
1. 自分に「感情に向き合う時間」を与える
否定的な評価を受けたときは、悲しい出来事に遭遇したときと同じようなものだ。まずは、悲しんだり失望感を抱いたりすることを自分に許そう。それから、一歩下がって、こう自問自答しよう。
・上司の評価は妥当だったか。
・今回の評価は、いつもと同様か、それとも例外的なものか。
・次に向けて、改善できるところがあるとすれば、それは何か。
・上司は、自分のためを思って言ってくれたのだろうか。
否定的なレビューが今回初めてのものであれば、上司と協力しながら、翌年度に向けて改善できるチャンスがあるかもしれない。その一方で、否定的な評価を受けることが続いているのであれば、現在就いている仕事や、所属しているチームに自分が向いていない証拠だという可能性もある。
また、上司が自分のことを適切に考えてくれていないと感じるのであれば、いっそのこと転職を考えたほうがいいのかもしれない。