著名アスリートが続々出資、急成長のスポーツ「ピックルボール」

大坂なおみ(Photo by Robert Prange/Getty Images)

2021年に発足したばかりの米メジャーリーグ・ピックルボール(MLP)。そのチームに、著名アスリートたちが出資することが明らかになった。具体的には、NBAのスター選手レブロン・ジェームズやケビン・デュラント、テニス界のスーパースター大坂なおみ、NFL「カンザスシティ・チーフス」のクォーターバック(QB)、パトリック・マホームズといったアスリートたちだ。2022年12月発表の合意について事情を知る関係者が、米Forbesに明かした。

大坂とマホームズの出資額、ならびにチーム評価額はすぐには確定しない可能性があるが、最近交わされた合意では、同リーグの拡充に対する出資額は100万ドルから300万ドルほどだと、その関係者は話す。

ここ数カ月、著名人がMLPに資金を投じ、超お手頃価格でプロチームのオーナーになれる機会に乗ろうとしている。他のプロスポーツのメジャーリーグチームに出資する場合、その額は数十億ドルに上るからだ。

他にも、2022年7月には、昨年引退したNFL「ニューオーリンズ・セインツ」の元QBドリュー・ブリーズが、9月にはNBAのドレイモンド・グリーンとケビン・ラブの両選手が出資。さらに、NFL「タンパベイ・バッカニアーズ」所属のQBトム・ブレイディも、デュラントと同じ10月に出資したことがわかっている。

フィールド外で年間推定2200万ドルを稼ぐマホームズはすでに、他のプロスポーツチームのオーナー業を始めている。2021年7月には、メジャーリーグ・サッカー(MLS)「スポルティング・カンザスシティ」に出資し、共同オーナーになった。

大坂も、2021年1月に米女子サッカーリーグ(NWSL)「ノースカロライナ・カレッジ」の共同オーナーとなっている。大坂の出資先は他にも多数あり、NFTプラットフォーム「オートグラフ(Autograph)」や、植物由来チキンブランド「デアリング・フーズ(Daring Foods)」、米リカバリー(スポーツマッサージ)機器ブランド「ハイパーアイス」、VRスポーツトレーニング技術を開発する「StatusPro」などがある。

また、2021年にはスキンケアブランド「Kinlo(キンロ)」を、2022年6月にはメディアプロダクション会社「ハナ・クマ(Hana Kuma)」を立ち上げたほか、5月には、これまで所属していた大手スポーツマネジメント会社IMGを離れて、大坂のエージェントを長年務めてきたスチュアート・デュギド(Stuart Duguid)とともに、自身のマネジメント会社「Evolve」を設立した。

大坂は3年連続で、世界で最も稼いだ女性アスリート1位に輝いている。2022年5月までの12カ月で稼いだ金額は、税引き前で推定5920万ドルだ。これにより、米Forbesが発表した「2022年の最も稼いだアスリートランキング(男女)」の19位に名を連ねた。テニスコート外で手にした収入は総額5800万ドルだ。
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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