バイトダンスの社内の調査によって、同社の社員が米国のジャーナリストのIPアドレスやユーザーデータに不正にアクセスし、彼らがバイトダンスの社員と同じ地域に滞在していたかどうかを特定しようとしていたことが判明した。
フォーブスが確認した資料によると、バイトダンスは、同社と中国との継続的なつながりを暴露する記事が相次いだことから、内部のリーク源を明らかにする目的で監視活動を行っていたという。
バイトダンスはこの調査結果を受けて、監視活動を行うチームを率いた内部監査員のクリス・レピタック(Chris Lepitak)を解雇した。レピタックの上司で、バイトダンスのCEOのRubo Liang(梁汝波)の直属の部下である北京在住の幹部のソン・イェ(Song Ye)は辞職した。
「この事態を知らされたとき、私は深く落胆した。私たちが多大な労力を費やして築いてきた社会的信頼が、一部の人間の不正行為によって大きく損なわれてしまった」と、Liangは社内向けのメールに書いている。
「企業が行動規範の違反を調査する内部監査グループを持つことは標準的な慣行だ」と、TikTokの法務責任者のエーリヒ・アンダーセン(Erich Andersen)は、別の社内向けメールで述べている。しかし、今回のケースでは、個人がその権限を悪用してTikTokのデータにアクセスしていた。
フォーブスは10月の記事で、バイトダンスの監視活動について初めて報じていた。その記事の公開後に同社はツイッターで、「TikTokは米国政府のメンバー、活動家、公人、ジャーナリストを標的にしたことはない。当社は記事にあるような方法で米国ユーザーを監視することはできない」と述べていた。
しかし、バイトダンスのCEOのLiangは今回の社内メールで、フォーブスの報道が事実だったことを認めた。