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2022.12.25 12:00

頼れるスバル・フォレスターはアーミーナイフのように機能性満点


フォレスターは、最も理にかなったクルマのひとつだ。この無骨な小型SUVは、広い室内、優れた視界、優れた燃費、シンプルな操作性、快適な乗り心地、そして反応の良いハンドリングを兼ね備えている。

運転席の写真

今回、僕があえて乗ってみたのは、一番人気のeボクサー・ハイブリッド仕様ではなく、加速のパンチが楽しめる1.8リッターのターボ仕様だ。

キャビンは広く、特にリアシートはゆったりとしていて、ドアが80度以上開くので乗り降りも非常に簡単だ。Android AutoやApple CarPlayを使う使わないにかかわらず、操作系はシンプルだ。ただ、僕としては、すでにインプレッサやアウトバックで導入しているiPad並みのフルサイズの縦置きタッチスクリーンを採用して欲しかった。横置きの小さなスクリーンがあると、古さを感じるからね。

メーター、操作系の写真

この「スポーツ」に搭載される1.8リッター水平対向ターボエンジンは、レヴォーグに搭載されるものと基本的に共通だ。と言うことは、177psの最高出力と300Nmの最大トルクを発生する充分な加速を誇る。アクセルを力強く踏めば、急加速してくれるけど、やはりCVTとの組み合わせになっているので、トランスミッションからくる音が若干大きい。

ステアリングを握ると運転席からの視認性は抜群だし、フロント・スプリングとショックアブソーバーを見直したセッティングになっているから、コーナーでは意外にフラット感を保つし、乗り心地はインプレッサ並にしなやかで快適。

言うまでもなく、スバル流AWDシステムは、文句なくグリップ性が非常に優れている。濡れた路面でも、雪でも、ラリーで培ったノウハウを安定した走りを保つので、どんなコンディションでも安心して乗っていられる。滑りやすい路面でのトラクションを高めるためにAWDシステムを最適化する「X-Mode」を搭載している。

Xmodeの操作ボタン

以前に、オフロードで試したことがあるけど、トラクション性は素晴らしく、どの悪路でも楽に乗り越えていける。ドライバー支援機能であるEyesightスイートを標準装備。FCW、歩行者検知機能付AEB、LDW、LKA、レーンセンタリングアシスト、アダプティブ・クルーズ・コントロールが含まれる。

予防安全や運転支援システムを囲む「アイサイト」は業界でも高く評価されている。フロントガラスに貼り付けられたステレオカメラの画角が約2倍となり、カバーできる範囲がグーンと広がった。交差点での事故回避や、クルーズコントロール作動時の追従性向上などに寄与するはずだ。ただ、レヴォーグが装備する前方をセンシングするレーダーや、ブレーキの電動式の倍力装置は省かれ、GPSや準天頂衛星の情報も活用するハンズフリー(手放し)走行機能付きの「アイサイトX」が設定されないのは残念。

格好良いルックスより、安全性や走行性能が一流で、アーミーナイフのような機能性満点のクロスオーバー。予算400万円弱で考えている人は、これこそ買うべき車両だと思う。

国際モータージャーナリスト、ピーター・ライオンが語るクルマの話
「ライオンのひと吠え」 過去記事はこちら>>

文=ピーター ライオン

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