マイクロソフト流メタバースの3軸とは 日本で産業用はここまで進化していた!

マイクロソフトの産業用メタバースが広がりを見せている


医療領域でも広がる活用法


サントリー白州蒸留所や北海道電力などでは場内の点検作業などにも実導入されている。日本航空では航空機の整備訓練などに利用。さらにこうしたノウハウを活かし、エアバスA350の導入時にはMRを活用したパイロット訓練にも着手している。


エアバス社による動画

順天堂大学附属病院など医療領域でもHoloLensとKinectの活用による遠隔診療が進められている。新型コロナ・ウイルスの余波によりインターネットを介した遠隔診療はすでに散見されていたものの、HoloLensとKinectの活用により3Dで患部を診ることで、それまで2Dでは難しかった診療を可能にした。

例えばパーキンソン病などは実際に患者の身体の稼働域などを確認する必要があり、2Dでは遠隔診療ができなかった。3D化により遠隔地では不足している専門医の診察を受けられるなど、その利活用は広がっているという。



ITソリューション企業に変貌 コロナ禍に加速


こうしたマイクロソフトのMRテクノロジーは、Microsoft Dynamics 365、同Mesh Appほか200を超えるパートナーにより提供されたアプリケーションと、Microsoft Mesh、Microsoft Azureというクラウド、そしてKinectやHoloLensというディバイスの三位一体により、具現化されている。

マイクロソフトはもはやWindowsの会社ではなく、ここに挙げたデバイス、KinectやHoloLensなどのハードウェア販売を中心とした企業でもない。次世代型コンピューティング・プラットフォームとしてMRを広めて行くソリューション企業へと変貌を遂げている。

新型コロナ蔓延は人類が様々な危機にさらされる負の時代ではあったが、行動制限や移動制限の影響でバーチャル、XRテクノロジーは格段の進化を見せた。これによる身体が不自由な方も、こうしたバーチャル・テクノロジーの活用によりフルタイムでの就労を可能にし、一方遠隔地に住んでいながら世界中の人々と同時に勤務をも可能にしている。

マイクロソフトの提唱するMRは産業の発展に寄与するとともに、現在の格差社会を是正して行く力をも持っているかもしれない。

文=松永裕司

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事